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行政、民間企業、高校生らが「宮古島未来」へ意見交換した =市役所

「宮古島未来」へ意見交換 教育、観光などテーマに 第三次市総合計画にむけて 行政、企業、高校生ら参加

 宮古青年会議所(宮古JC、比嘉正樹理事長)は17日、市役所2階会議室で「皆で創る宮古(しま)の未来~第三次宮古島市総合計画にむけて~」の下、行政や民間、高校生などさまざまな立場が参加し、第二次総合計画を振り返り、次の10年間を見据えたまちづくりの方向性に向けて意見を交えた。そのうち、教育では子どもたちが学ぶ環境の充実、地域との関わりや地域体験の重要性を強調し、「子どもたちには成功体験の場を提供することで幸せにしてあげたい」との意見もあった。
 宮古JCは、未来を担う子どもたちに地域社会の現状や課題、将来の可能性について共に考える機会を提供。これを実現するために「子どもたちと考える宮古島の未来」のテーマで意見交換会を企画した。
 会場には行政関係者、民間代表、地域住民、高校生など約40人が参加した。
 参加者は▽教育(子どもたちが笑顔にあふれる活力と郷土愛に満ちた宮古)▽農林水産(島の発展を支える農林水産業の振興)▽観光(地域の特性を活かした観光事業の振興)▽暮らし(安心で安全な島づくりの推進)―のテーマで意見を交わした。
 「子どもたちが笑顔にあふれた活力と郷土愛に満ちた宮古」は、未来を担う子どもたちが地域を誇りに思い豊かに成長できる環境を整えることが重要とし教育環境の充実、地域との関わりを深めるための施策で意見を述べた。
 こどもの貧困対策関連事業に取り組んでいる男性は「キャリア教育の部分で家庭体験、いろんな人との関わりが少ない傾向にあるので知る機会を作っていくことが課題。学習環境が提供されにくいことがあるが、授業の中で取り残されることがないような環境を作っていきたい」と述べた。
 社会教育では、市総合体育館が建替え工事で使えない状況を話した上で「学校体育施設が柔軟に利用できるよう行政と一緒に考えられないか」も提起した。
 お母さんたちの居場所づくりなどで活動している女性は「子どもたちには成功体験の場を提供することで幸せにしてあげたい。地域食堂で子どもがご飯を作り一緒に食べ、『おいしかった、ありがとう』という体験の場を作っていきたい」と話した。
 行政からも子どもの成功体験に同調する意見があり、「地域に出て体験することは大事であり、これが学力向上にもつながる。地域で育てていくことで地域に貢献する人になっていく」と語った。
 男子高校生は家賃高騰などを課題に挙げ、島を出ても戻ってこられるような施策を求めた。女子高校生は高校生が主体となった祭りを計画したが安全面で実施できなかったことを話し、「どこに相談したらいのか分からない。市役所に相談できる場を作ってほしい」と要望した。
 意見交換に当たっては「近年急速な発展と変化を遂げており、それに伴う家賃の高騰やオーバーツーリズムなどの課題が顕在化している。沿岸部の開発が進む一方、長年住んでいる住民の生活環境や次世代がどのような島を受け継ぐかの懸念も高まっている」と背景を説明。
 2026年度に終了する第二次総合計画の目標達成状況については「達成できたものもある一方、未達成の目標も多く残されている」と述べ「次の10年間を見据えたまちづくりの方向性を定めるためにも現状、未来について意見を交わすことは意義がある」と強調した。

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