
教育長任命は再度不同意 大城氏提案に反対多数 嘉数市長「再考したが残念」
宮古島市議会(平良敏夫議長)の臨時会が28日に開かれ、嘉数登市長が再度提案した前教育長の大城裕子氏を教育長に任命する同意案は採決の結果、賛成少数で不同意となった。教育長人事の同意案は3月定例議会に提案されたが不同意となり、今回再度の提案となった。嘉数市長は、1カ月しか経っていない同じ人事の提案に「教育行政のリーダーである教育長の不在は一刻も早く解消すべきであり、再考する中で経験、資質、市民の大城氏への期待する意見や職員からの信頼が高い」などと説明したが理解は得られなかった。
再度提案された大城氏を教育長に任命する同意案は採決の結果、賛成8人、反対13人、欠席1人、除席1人の賛成少数で不同意となった。
再び同意案の否決を受けて嘉数市長は「前回議会の否決を受け、議会の意思を真摯に受け止め否決の理由などについて十分考慮し再考したが、同意いただけなかったことは残念。教育長不在を一刻も早く解消するため関係者との協議を行い、早急に同意案を提出するように取り組んでいきたい」とコメントした。
質疑では國仲昌二氏が「3月議会で示されている議会の意思をひっくり返すような状況の変化があったのか」と聞いた。
嘉数市長は「否決理由を考慮し再考する中で在任中の教育行政に取り組む姿勢、加えて大城氏に期待する意見や職員からの信頼の高さなどで改めて適任者であるとの思いに至った」と述べた。
討論では池城健氏が反対の立場で「息子の市議補選の応援で自ら任期途中で辞職し、予選編成や学校現場に教育行政の空白を作り出した。市民からも辞職した方が再度教育長に就任するのは勝手すぎるという批判の声がある」と述べた。
賛成の立場で討論した我如古三雄氏は「教育行政には多くの課題や難問が山積しており停滞があってはならない。これまでの教育行政や市政に多くの重要施策を遂行された実績がある。教育行政に精通しており、市民からの信望も厚い」と評価した。
山里雅彦氏は、大城氏について「(在任中は)教育長として教育的環境、学校現場でのさまざまな対応、安定して行政を進めてきた」と評価したが、任期途中の辞職や教育行政の責任者である教育長は政治的な影響から中立的な立場を保つべきであるとの考えを述べ反対の姿勢を示した。