
市、村の首長が災害連携 ホットライン訓練実施 気象台長と直接防災伝達 台風特別警報迅速対応へ
宮古島地方気象台の金城康広台長と宮古島市、多良間村の首長間で台風特別警報(暴風、波浪、高潮)を想定したホットライン訓練が11日、専用の携帯電話を使って行われ、災害発生時の伝達の手順や連携を確認した。市は嘉数登市長と砂川朗副市長、村は伊良皆光夫村長と運天宏和副村長が参加。近隣沖地震といった災害事例を踏まえ、災害に対する備えの重要性が再確認された。
同訓練は市、村へ特別警報が発令されるような台風が接近していることを想定し、市が発令する避難勧告、避難指示等の判断や防災体制への助言を宮古島地方気象台長が首長に対し行うことを目的に市は午前、村は午後に決められた時間に合わせ5段階で実施された。
はじめに同気象台の防災管理官から市防災危機管理課および村総務財政課に特別警報の訓練であるとの予告情報を伝達、その説明を受けた各首長が金城台長に直接電話し、避難勧告発令準備のため助言を求める訓練が行われた。
その際、金城台長から「暴風、波浪、高潮、大雨の特別警報発表する可能性がある。今後気象台から発表される気象情報に注意し、必要な防災対策を取ってほしい」といった連絡がなされた。
さらに特別警報が発表されたのを受けて、気象台の金城台長が市長・村長、副市長・副村長に対し、ホットライン(緊急連絡用直通通信線および非常用直通電話)で伝達した。
金城台長は「宮古島市に特別警報を発表した。これまでに経験したことのないような暴風、高波、高潮、土砂災害等に最大級の警戒をお願いしたい。そして速やかな防災対応をとってもらいたい」と連絡。これを受けて両首長は「分かりました。市民の生命を守るため、速やかな対応を取る。引き続き助言をよろしくお願いしたい」などと述べた。
その後、副市長および副村長も同様に伝達、相談、ホットラインの手順で訓練を行った。
訓練終了後、嘉数市長は「宮古島は毎年のように台風が来るので気象台と訓練を通じて日頃から関係を構築することが大事であり、台湾地震などもあったことから災害に対して十分な対策をしていくことも大切。有意義な機会だった」と述べた。
金城台長は「気象台では、極めて甚大な災害が予見されるような気象状況となっている場合は、市町村に対し気象台からの連絡で警戒を呼び掛ける取り組み(ホットライン)を行う。ホットラインを行わなければならない状況が起こらないことを希望するが、万が一への備えは必要。昨年度は訓練実施前に津波騒動もあり、防災に向けた助言や報告が円滑になるよう最大限の備えになればと思う」と語った。