2月までに109万6260人 入域観光客数推計値 観光通年化へ過去最高迫る

 市観光商工課が26日にまとめた2025年2月の入域観光客数の推計値は7万5874人で前年同月比494人(99・35%)減少したが、本年度同推計値は3月を残し、前年度(93万8162人)に比べ16・85%増の累計109万6260人と2月までに15万8098人増。同推計値歴代最多を記録した2018年度の114万3031人に迫り、コロナ禍で激減していた観光客数が完全回復どころか、成長モードに入ったと見える。
 まとめによると、クルーズ船は寄港回数が前年同月と同等数だが、大型クルーズ船の寄港がなかったことから観光客数は前年1万9950人から6190人に減少。だが、航空路線においては、観光客数が好調だった前年同月(5万6391人)を上回り、6万9684人となった。
 観光客数が伸びている背景には、冬季(11~2月)の観光が好調であることも予想される。同期間を18年度と本年度を比べると18年度は26万9924人に対し、本年度は36万8217人。つまり、「宮古島=夏」から「年中訪れる島」へと観光の通年化が進んでいる兆しだと見える。
 要因としては官民連携の努力も成果につながっており、特に宮古空港、下地島空港の両輪が異なる層を呼び込むことで観光客の総量が増加し、共存が生み出したダイナミズムが挙げられる。
 東京、大阪、名古屋、福岡など大都市圏の直行便のほか、韓国ソウル線など航空路線拡充により、アクセスが便利になったことや宮古島の自然・文化・食に魅了される人も多く、コロナ期の「混雑を避けた自然観光」支持が単なるブームではなく、観光地としての地力がついてきた結果ともいえる。
 6月下旬からは香港―下地島航路も復活することも決まり、今後、国際チャーター便の再開が進めばさらなる誘客拡大も確実といえ、宮古島の観光は今、新たな成長フェーズに突入した。
 経済効果や雇用創出には追い風であり、地域経済の活性化が見込まれる一方で観光客の急増は交通問題、宿泊施設対応、自然環境への負荷などの課題もある。

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