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式典であいさつする比嘉司令 =23日、上野野原・陸上自衛隊宮古島駐屯地

「南西地域抑止の要に」 陸自宮古島6周年 駐屯地記念行事 観閲行進、訓練を公開

 陸上自衛隊宮古島駐屯地(司令・比嘉隼人一等陸佐)の創立6周年記念行事が23日、上野野原の同駐屯地で行われた。式典や観閲行進、音楽演奏、訓練展示があり、比嘉司令が「沖縄・南西地域の抑止力の要として地域のみなさんの安心安全を守りぬく」と決意を述べた。観閲行進では各部隊による装甲車など車両行進、銃撃戦を想定し空砲を使った訓練が公開された。招待された市や自衛隊協力会など関係者、隊員の家族、地域住民らは観閲行進などを見学し、隊員との交流を深めた。

観閲行進や訓練を行った隊員ら


 式典では、昨年1月に発生した石川県能登半島地震で被災し亡くなった人々や陸自の多用途ヘリコプターの航空機事故犠牲者の冥福を祈り、黙とうをささげた。
 比嘉司令は「国際社会は今、戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面している。ロシアによるウクライナ侵略は3年が経過し依然として終わりが見えない状況である。南西諸島正面に目を向けると中国は活動を活発化させ、尖閣諸島への領海侵入や台湾への軍事力圧力を強めるなど力による一方的な現状変更とその試みを強化している」と語り、「このような中、宮古島駐屯地所在部隊はいついかなる事態にも即応し、与えられた使命を全うするために駐屯地一丸となって地域の安心安全を守りぬく」とあいさつした。
 来賓を代表して嘉数登市長は「宮古島駐屯地は国の安全保障に極めて重要な役割を果たしている。台風など自然災害への備えや緊急搬送などでも多大な貢献をしている。今後も防災訓練などを通じて市、県、関係機関と連携を深め安心安全な島づくりに協力をいただきたい」と述べた。
 観閲行進には200人の隊員が参加し、宮古警備本部中隊や警備普通科中隊など部隊の紹介のあと装甲車など70両の車両による行進が行われた。訓練は武装集団から地対空ミサイル部隊などを守るという想定で行われ、空砲を使った銃撃戦で自衛隊が武装集団を排除する訓練が公開された。
 記念行事の公開は地域住民との交流を通じて駐屯地に対する理解と信頼を深めてもらうことが目的だという。この日は断続的に雨が降ったが同駐屯地には多くの住民らの姿があり、見学のほかオリンピック選手との交流も見られた。
 同駐屯地は2019年3月26日に宮古警備隊の編成とともに開設。20年に地対空誘導弾による防空を担う第7高射特科群が移駐し第302地対鑑ミサイル中隊が新設された。

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