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夏ごろの開業を目指す徳洲会伊良部診療所跡地 =伊良部前里添

島の医療、今夏復活へ アカシア会 徳洲会と売買契約締結 新名称は「伊良部島中央クリニック」

 2024年3月末に24年間の役割を終えた徳洲会伊良部島診療所跡地の不動産売買契約が医療法人徳洲会と医療法人アカシア会の下地晃理事長(城辺中央クリニック院長)の間で20日、正式に交わされた。新名称は「伊良部島中央クリニック」(仮)とすることも明かし、下地理事長は「6月末の開業目指し、伊良部島の人たちが安心できるよう精一杯医療に従事したい」と決意を表明。これにより島の医療が1年越しで復活する見込みとなった。

下地理事長(左)との間で本契約が交わされた=宮古島徳洲会病院


 同契約は宮古島徳洲会病院で交わされ、徳洲会から不動産部の田村充次長と同病院の池間亨事務長、総務課の當山典子係長が同席し、下地理事長との間で交わされた。
 昨年12月に仮契約に双方同意し、その後徳洲会側に報告し、理事会の承認が下りたことで本契約に至った。
 本契約書によると敷地(1184・60平方㍍)および鉄筋コンクリート造の建物(1~3階計1286・27平方㍍)などを現状有姿のまま引き渡される内容。正式な引き渡しは3月末から4月ごろを予定している。
 契約締結後、下地理事長は「1年使われなかったため、建物の測量など不具合の確認もあるが、まずは一つ安心した」と述べ、「予定としては7月ごろの開業を目指している」と語り、感謝祭などで盛り上げた商工会青年部らにも謝意を示した。
 その上で「現在、看護師らの育成を進めている。息子たちも総合診療として励んでいることもあり、医療が必要な伊良部島の人たちが安心して生活ができるようにしていきたい」と決意を示した。
 下地理事長自身は婦人科専門医であり、また内科外来、外科外来に対応するとのことで総合医療としての開業を予定している。
 池間事務長は「1年間も空けてしまったが、下地理事長の決断に感謝し、これからに期待したい」と話し、同診療所最後の事務長として勤務した當間係長は「閉院してしまったときは島のおじい、おばあたちの悲しむ顔を見てきたが、この吉報でそのおじい、おばあが笑顔になってくれると思う」と期待を寄せた。
 元伊良部町議会議員で市への徳洲会誘致に携わった本社の洌鎌敏一会長も下地理事長に同行し、「これで伊良部島の人たちも安心できる。生前、お世話になった今は亡き徳田虎雄先生も島の名医にバトンタッチできたことで安心して見守ることができる」と語った。

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