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脱炭素先行事業スタート 太陽光パネルを設置 下地、狩俣地域対象 停電対策、安い電気購入
宮古島市は、2024年度から環境省に選定された脱炭素先行地域事業に取り組んでおり、下地地域の入江では住民に初期投資負担がないPPA(電力供給契約)方式で太陽光パネル、蓄電池を設置している。同事業は下地地域と狩俣地域が対象で事業期間は24年度から5年間、事業費は69億円となっている。エコアイランド推進課はメリットとして停電対策、既存の電力会社より安い電気が購入されると説明した。
脱炭素は、二酸化炭素(CO2)排出量をゼロにすること。宮古島市は23年11月に環境省から脱炭素先行地域に選定。これを受けてエコアイランドを進化させ、成長する観光業と共存する形で持続可能な宮古島を目指す。
主な取り組みは、先行地域全体に初期投資負担がないPPA方式で太陽光パネルと蓄電池を普及し、地域内で発電した電力の供給を適切に管理することにより再エネ由来の電気で電力需給を賄う。
動く蓄電池の電気自動車の観光客と住民がシェアリング、再エネ、省エネを改修した空き家等の地域主体による宿泊事業などで脱炭素と地域課題解決の両立を図っていくという。
25年度からはEVカーシェア事業も行われる。先行地域内の事業所の社用車を対象にした電気自動車等買換補助金の交付事業の募集で社用車を事業用以外の用途でカーシェアするとの交付条件がある。
太陽光パネルなど設置工事は、申し込み者を対象にPPA登録事業者(沖電工、宮古島未来エネルギー)による現場調査、契約後に工事が行われる。
14日に下地入江の住宅で行われた工事は沖電工が行い、同課の下地洋子課長ら職員が見守った。
申し込んだ来間正雄さんは「前から設置したいと思っていたところ下地地域が選定され、市がやる仕事なので申請した。台風の時に停電がなくなるのがうれしい」と話した。
沖電工企画課係長の神山将太さんは「本来は建設業だが環境配慮への取り組みも掲げており新規事業として行っている。既存の電力会社よりも安価な価格で設定しているので環境面と経済面の観点で効果を見出すことができる」と語った。
25年上半期までにPPA設置の希望者は25年5月までにQRコードなどから申し込むよう呼び掛けている。
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