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研修成果の苧麻糸展示 上布コレクションも 来場者ら「ぶーんみ体験」
「第15回苧麻糸展示会及び宮古上布保持団体コレクション展」が8、9の両日、市歴史文化資料館(旧砂川中学校)で行われている。苧麻(ブー)を原料に作る苧麻糸は「苧麻糸手績み」と呼ばれ、宮古上布の製作技術に欠かせないものだが、苧麻糸の手績みが少なくなっていることから担い手の育成が課題。会場では技術者養成講座の初級講習など研修生の成果品が展示されている。コレクション展では琉球王国からの復元した御絵図柄や会員の技術研究の成果品など作品が展示されており、多くの来場を呼び掛けている。
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同展は宮古苧麻績み(ぶーんみ)保存会(友利明美会長)、宮古上布保持団体(新里玲子代表)が主催し、市教育委員会が協力する形で開催。同保存会の苧麻績み初級講習などで製作した苧麻糸の展示、同保持団体が所蔵する作品が披露されている。初日から多くの人が訪れ、作品を鑑賞するとともにぶーんみ体験や宮古上布の試着体験も行われた。
2024年度苧麻糸手績み技術者養成事業の初級・中級講習は宮古島市、多良間村の教室で行われた。展示の成果品には教室名、研修生の名前、研修年数、量、重さ、10ヨミあたりの重さが書かれている。コメントもあり、1年目の研修生は「ブーに向き合えば向き合うほど課題が増えた。ブー裂きを美しくできて量が増やせるように頑張りたい」と意欲。2年目の研修生は「糸の細さにこだわった。量は目標に届かなかったが3年目はさらに頑張りたい」とコメントするなど技術向上への姿勢が見られる。
夏休み親子ブーンミ体験講座に参加した子どもたちの感想も紹介されている。16組36人の親子が刈り取りから撚(よ)り掛けの体験を行った。宮古上布の試着もあり、「100年前の宮古上布を実際に触ることができ、手で感触を味わえて良かった」などの感想が寄せられた。
友利会長は「糸の作り手を増やしたいという教室では(研修生らが)頑張っている。糸が足りない状態なので、もっと多くの人が参加してほしい」と話した。
宮古上布保持団体のコレクション展では、琉球王国時代からの復元した御絵図柄や会員の技術研究の成果品などが展示されている。
新里代表は「時代の流れとともに図柄、デザインも変わってきた。現代の人たちは細かい紺絣のみが伝統という先入観を持っているが琉球王国時代には色上布があり、色が多彩だった。若い人には島の草木を使った色上布、多彩なデザインも展開してほしい」と要望。来場者には「400年の宮古上布の流れを見てほしい」と呼び掛けた。