多機関連携で災害対策確認 防災意識高揚へ状況共有 油流出訓練を実施
2024年度宮古地区海上防災対策協議会の定例会が28日、平良港ターミナルビルで行われた。海上保安本部、消防、警察、自衛隊、船舶会社、ホテルなど関係機関が業務計画や災害時の連絡関係、油流出のすみやかな防除に必要な資機材などに関する会則の改正について確認した。終了後は同港で油流出を想定したオイルフェンス展張訓練が行われた。
定例会冒頭、喜志多健史会長(宮古島海上保安部長)が関係機関の参加に感謝し、「幸いなことに、これまで宮古地区周辺海域では大規模な災害は発生していないが、ことし8月に政府が『南海トラフ地震臨時情報』を初公表し、防災に関する意識がさらに高まった」と強調した。
その上で「関係機関・団体等の協力および連携を確認し続ける必要がある。みなさんと一同に会して意見交換を行うことは大きな意義がある」とあいさつした。
宮古地区周辺海域の油流出は23年度が5件(前期4件、後期1件)、24年度が11月11日時点で計6件(平良港3件、佐良浜漁港3件)だったことが報告された。なお、20年度8件、21年度5件、22年度7件だった。
23年度の活動については情報伝達訓練を兼ねた資機材保有状況確認、海上防災訓練などの説明があった。
定例会後は海上に化学物質や燃料などが流出した場合に備えて、オイルフェンスを設置して油の流出を食い止める展張訓練の説明がなされ、同港で関係機関向けに大米建設らの協力の下で公開。非常事態発生時における作業を確認した。
同協議会は、宮古地区の海域において発生する船舶などの事故を未然に防止するとともに大量の油や有害液体物質流出事故、台風、津波による災害等に際し、関係機関が相互に協力し、効果的な災害対策を策定し、災害の拡大を防止することを目的に設置された。
業務は災害時の通報系統および出動体制の確立、火災および台風、津波等による災害対策の策定の実施、油等防除に必要な施設・資機材の整備の推進、海難防止指導などとなっている。