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9月に行った教職員を対象にした住居に関するアンケート結果を報告した =24日、宮古教育会館

赴任教職員らが悲鳴 アンケート結果発表 物件問題に悩む宮古島市 市議会新政会県教組宮古支部

 市議会新政会(池城健代表)と県教職員組合宮古支部(砂川文寿支部長)は24日、平良東仲宗根の宮古教育会館で会見を開き、9月に行った教職員を対象にした住居に関するアンケート結果を報告した。同問題が可視化されたことにより家賃の高さや物件の不足など、赴任教職員が直面する生々しい住居問題の深刻さが明らかにされた。
 このアンケートは、宮古島市内の教職員の住居環境の実態を把握する目的で9月6日から20日まで行われたもの。回答した教諭はそれぞれ小学校63人、中学校33人となっている。
 アンケート結果では、宮古島市の家賃に対して「非常に高い」と回答した教職員が全体の85%に上り、市の物件数には「少ししか見つからなかった」が19%、「ほとんど物件が見つからなかった」との回答も71%に達している。
 また、赴任時に希望する物件を借りられなかった経験がある教職員は全体の約35%に上り、一時的な宿泊施設に住むことを余儀なくされた例も多く見られた上に、78%が「住宅手当が不十分」と回答している。
 さらに具体的な意見も積極的に回答しており、さまざまな問題が可視化された。
 池城会長は「家賃が高く、物件が見つからないことが大きな問題であり、解決策を見出すことが今後の課題」と述べ、山下誠市議は「教職員だけでなく他職種においても同様の問題が存在する」と指摘し、「市営住宅の入居規定緩和などの対応を進めているが、問題の解決には至っていない」と嘆き、長崎富夫市議も行政として早急に取り組む必要があると強調した。
 砂川支部長は、住居が見つからないままホテル住まいを強いられるなど教諭としての心身の安全安心が保てない状況などから児童生徒への影響を危惧し、早急な解決を望んだ。
 また、住居問題は教職員だけでなく、移住や島内で親元を離れ一人暮らしすることもできず、やむを得ず島を離れてしまう現状など多くの問題を抱えており、若者の定住を進める上で大きな障壁となっている。

◆赴任教員の厳しい生活実状 調査で問題が可視化
 市議会新政会と県教職員組合宮古支部が行った宮古島市で働く教職員から寄せられたアンケートの「住居や生活に関して困っていることがあれば具体的に教えてください」の回答ではさまざまな問題が可視化された。
 家賃の高さと住居手当の不足については「単身用でも7万円以上、ファミリー用は10万円以上と高額」などや「手当が足りない」との声が多く、家賃に見合った手当の上限撤廃や増額が求められた。
 物件不足と入居困難についても嘆かれており、「賃貸物件が少なく、選択肢がほぼない」「入居まで時間がかかり、ホテル住まいや仮住まいを余儀なくされる」など。その上で、引っ越し費用の負担としても初期費用や車輸送などで総額100万円以上かかることもあり、不公平感が強く見られた。
 さらに宿舎がないため、物件探しに苦労する声が多数あり、教員宿舎の必要性を求める声もあり、宿舎や市が不動産業界と連携した仕組みづくりを要望する声もあった。
 そのほか、「ガソリン代が本島より高いのに、通勤手当が同額」「駐車場代も別途必要で家計を圧迫」という意見や家族で住める広さの物件が見つからないことから子どもの通学負担や生活環境の不安定さが指摘されている。

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