少子化、若者定住対策へ 嘉数氏が9つの政策発表 来年1月市長選向け 農畜水産業の課題にも
来年1月に行われる宮古島市長選に立候補を表明している前副市長の嘉数登氏(61)が20日、旧TSUTAYA沖縄宮古島店で会見し政策を発表した。豊かで明るい宮古島市を創る9つの政策は▽市民の命と暮らしを守る▽島の経済を支える農畜水産業の稼ぐ力を強化―などを掲げた。直面する重要課題は少子化対策と若者定住を挙げ、「若い人たちがここに住み続けたいと思える市を目指して住宅整備を進めたい」と述べた。セリ価格の低迷など苦しんでいる畜産農家の支援には財政調整基金から出して支えていく姿勢も見せた。
政策発表には下地信男、上地堅司、平良和彦の3市議、後援会、経済界などの支持者らも参加した。このなか嘉数氏は9つの政策を発表。「豊かで明るい宮古島市を創る政策には副市長時代に市民から頂いた意見、要望も参考にしながら作り上げた」と述べた。
市民の命と暮らしを守る政策は「市長の一番重要な責務と思っている」と述べ、物価高騰対策や台風等自然災害への備え、消防力の強化、感染症や国民保護への対応、増加する水需要への対応に将来を見据えた中長期的な対策強化に取り組むとした。
観光振興は「量」から「質」への転換、それに伴う受入体制の整備や観光人材の育成、産業間連携による域内経済循環を促進し持続可能性と稼ぐ力の強化を図る考えを示した。
地域経済を牽引する産業の成長と市民所得向上の政策では、「宮古島市中小企業振興基本条例(仮称)」を制定し、地域資源活用によるものづくり産業強化やデジタル技術の活用促進などを挙げた。
未来を創る教育では「学ぶ意欲を高める漢字・英語・数学検定料の無償化」などを実施し学ぶ意欲や学力向上を図るとした。子どもの貧困対策は「児童自立支援員」の配置と育成、シングルマザーへのサポート充実などに取り組む考えを示した。
少子化対策は、子育て世代が住み続けたいと思える市を目指すとして軽減措置を盛り込んだ「子育て支援条例」の制定、高齢化対策は介護ロボットの導入促進などを挙げた。若者の定住促進の住居不足対策は喫緊の課題となっているとして緩和・解消に向けて取り組む姿勢も見せた。
農畜水産業では「先日行ったセリ市場で畜産農家の話を聞いた。昨年からの飼料価格高騰やセリ価格の低迷などで小規模農家が廃業に追い込まれているという話も聞いた。長期化の様相を見せており、支援は飼料代の補助も含めてかなりの長期戦になるのでしっかり支えていきたい」と述べた。
農家や市の負担となっている個別の農薬補助や除草剤補助などの申請は、1回で済むようにパッケージ補助金として行う考えも示した。