伊良部国仲の公教育発祥之地を訪れた参加者ら=3日

石碑が語る宮古の歴史 市民総合文化祭 郷土の起源を探る旅

 第19回宮古島市民総合文化祭の一般の部「史跡巡り『はじまりの地~平良・伊良部石碑巡り』」が3日、未来創造センターを出発点として実施された。小学生から大人まで定員いっぱいの39人の参加者が郷土支部会(郷土史跡研究会)の案内のもと、伊良部、西辺、狩俣、池間を巡り、10カ所の石碑を訪問した。
 文化の日に合わせて行われたこの史跡巡りは、郷土の文化歴史への理解を深め、起源を知ることを目的として各地の石碑を巡った。当初予定していたコースを一部変更して行われた。
 午前10時ごろ、未来創造センター駐車場でバスに乗り込んだ参加者はまず初めに平良西里にある通称イーザトの入り口「商業発祥の地」標柱を訪れた。車中説明によると漲水港(現平良港)から坂を上り切ったこの地には明治初期に寄留商人らが逗留し、露店などで商いを始めたという。
 続いて伊良部大橋開通記念碑から伊良部国仲の公教育発祥之地、下地島~那覇間定期航空便就航、五カ里道開鑿(さく)の記念碑を訪れた。
 その後、本年創立150周年を迎える西原地区でその歴史に思いを馳(は)せ、学校教育発祥の地が建立する狩俣地区、海底水道竣工記念、沖縄珊瑚漁場開発根之地を巡り、車中で説明を受け、池間小学校発祥之地が建立する前里村番所跡地を訪れた。
 参加者の一人は巡回後、「石碑は日常的に意識されることが少なく、見落とされがちだが、碑に込められた思いや地域の歴史・文化を学び、その知恵を現在・未来に生かすことの大切さが伝わった」と語った。
 参加者らとともに各地を巡った市文化協会の饒平名和枝会長は、「地域の歴史を記録した貴重な文化財である石碑について、その時代や経緯を知ることで新しい発見につながる」とコメント。また、バスツアーに参加できない方のために、同じ内容のパネル展示も行われた。

関連記事一覧