宮古上布、未来へつなぐ 宮古織物組合・第3回織物展反物、バッグなど展示販売 ミニファッションショーも
宮古織物事業協同組合は2日、市伝統工芸センターで「第3回宮古島の織物展2024inMIYAKO~未来へ繋ぐ~」を開催した。組合員らの手績みの苧麻糸で織られた宮古上布、宮古織り、宮古麻織、宮古苧麻織などの反物、帯や宮古上布の着物をリメイクして作ったシャツ、バック、財布など約700点が展示販売された。織り手がモデルとなり、着物などを着けてのミニファッションショーも初めて行われた。同展は4日まで。
今年で3回目となった織物展には、初日から多くの人が詰めかけた。
同組合専務理事の浦崎美由希さんがオープニングセレモニーで「これまで700年余り、宮古島で綿々と織り続けられてきた伝統的工芸品の宮古上布、織り手たちの日常着や家族のためにとして織物が織られてきた。組合の作り手と未来の仲間である研修生が一丸となり1年かけて製作した。この展示会を通して広く知ってもらい小さな1枚の織物が皆さんの生活の一部になっていただければ幸い」と述べた。座喜味一幸市長のあいさつも代読された。
会場では宮古上布、宮古麻織などの反物や帯が展示販売されたほか、宮古上布の着物をリメイクして作ったショルダーバック、ペンケース、ピアス、小銭入れなどや宮古織ハンカチ、宮古麻織の帯揚げストロール、宮古麻織ポーチ、麻紙布のテーブルセンターも販売された。
ミニファッションショーは子どもから大人まで男女16人が着物などを披露した。織り手らがモデルとなったショーでは三線演奏のなか宮古上布保持団体代表の新里玲子さんが解説した。大人に混じって披露した子どもたちにも会場から大きな拍手が起きた。
期間中は、ぶーんみ保存会のぶーんみ実演や毎日午後2時からは管内ガイド、宮古上布保持団体の作品も展示。作り手との交流、藍染の匂いや織りの音、砧打ちの音などが体感できる織物展となっている。
宮古上布は、1975年に国の伝統的工芸品として認定された。72年ごろは年1000反の生産だったが、服飾が和装から洋装に転換し苧麻糸の績み手の高齢化もあり80年には年300反、現在は年数十反となっている。
その中、同組合は先人が活用してきた素材、綿・絹・芭蕉・苧麻などを使用した小物も生産販売していくことで作り手の収益を上げ、島の宝の糸績みの技術、宮古上布を守っていくことを未来につなげることを目標に展示即売会を開催している。