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座喜味市長(右)に答申を行う庄司副会長 =市役所

議案審議2件「再検討」 高さなど適合せず 市景観審が市長に答申 周辺環境への配慮求める

 宮古島市景観審議会(池田孝之会長)は30日、市(座喜味一幸市長)から諮問のあった「リーベルホテル宮古島(仮称)」「TGH共同住宅建築設計(仮称)」の2件審議について答申を行い、いずれも景観形成基準における「高さ」などの内容に適合しておらず認められないとして再検討を求めた。座喜味市長は慎重な審議に感謝を伝え、吉野海岸近くのリーベルホテル宮古島の建設計画には「(周辺は)優良な景観なので景観条例に理解をいただきながら今後、検討してほしい」と述べた。
 諮問のあった2件は22日の第2回審議会で審議し、この日の答申は池田会長に代わり庄司優副会長が行った。
 審議結果は、リーベルホテル宮古島が「配置、規模、形態及び周辺景観に対する配慮が不足しており、景観形成基準における『高さ』の裁量的な基準である『ただし書き』の内容に適合していると認められない」として、海岸からの眺望に対し稜線から突出しない配置や規模、形態の工夫の再検討を求めた。
 TGH共同住宅建築設計は「緑化、意匠、形態及び周辺環境に対する配慮が不足しており、景観形成基準における『高さ』の裁量的な基準である『ただし書き』の内容に適合していると認められない」として、緑化や意匠、形態及び周辺環境への配慮の再検討を求めた。
 庄司副会長は、海岸に低い棟を建て、海岸から見えない部分に高い棟を建てる工夫が必要と述べ、「北海岸や一周道路沿いに建物が建つ時の砦として、(高さへの配慮がないものを)認めてしまうとなし崩し的になってしまう」との考えを示した。
 市街地の共同住宅には「袋小路になっており、駐車場に60台ほどの車を停めると緊急時の避難をどうするのか。周辺の住宅との交通問題など周辺の環境を守る意味でも貴重な場所」と話した。
 座喜味市長は、北海岸の開発計画は重要であると述べ、審議会の指摘を受けた再検討に期待した。共同住宅については「理解を示すが、地域との整合や緑地化などを確保しながら進めていただきたい」と述べた。
 リーベルホテル宮古島の計画は、城辺保良のオーシャンリンクスの既存クラブハウスの建て替えによる宿泊施設、クラブハウス、駐車場の建設を予定。高さ基準13㍍に対する建築物の32㍍と周辺景観への影響、配慮や景観形成基準への適合状況を審議。TGH共同住宅建築設計は、高さ基準16㍍に対して建築物の高さが18・6㍍となっており、周辺景観への配慮、景観形成基準への適合状況を審議した。

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