映画「一人になる」の上映会が行われた
=28日夕、市未来創造センター内多目的ホール
「補償制度の周知強化を」 ハンセン病と人権市民ネットワーク 映画「一人になる」
ハンセン病と人権市民ネットワーク宮古は28日、市未来創造センターでドキュメンタリー映画「一人になる」上映会を実施した。この映画は、ハンセン病強制隔離政策下で闘い続けた医師小笠原登氏の姿を描き、長年にわたるハンセン病患者とその家族に対する差別と偏見の歴史を浮き彫りにした作品。ハンセン病への理解を促すとともに、偏見や差別をなくすきっかけを観覧者らに提供し、県民と当事者が具体的な要望に耳を傾け、支援の可能性を模索する機会とした。
共同代表の亀濱玲子氏は「映画を通じてハンセン病患者やその家族に対する理解を深め、偏見や差別をなくしたい」と強く訴えた。
その上で、「ハンセン病患者の家族に補償される制度が整備されたものの、申請者は8千人に過ぎず、映画を通じてその存在をより多くの人に知らせてほしい」と周知の重要性を強調した。
作品では、1907年に始まった「強制隔離」政策と、それに無批判に追従してきた社会の姿勢を批判的に捉えている。
小笠原医師は、ハンセン病が不治の病ではなく、隔離の必要がないことを訴え続けた一人であり、患者一人ひとりに寄り添う姿勢で隔離政策に抵抗した。小笠原医師の闘いは、ハンセン病患者にとって希望の光であった。
同作品は9月8日に名護市中央公民館、14日には読谷文化センターで上映されており、今後は6日に名護市中央公民館を予定。さらに宮古南静園施設内で上映するなど偏見や差別のない世の中を訴えていく。
また10月18日には第1回沖縄県ハンセン病問題シンポジウムが開催される。これらの活動は、ハンセン病問題に対する社会的な認識を高め、当事者やその家族への支援を促進することを目指している。