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若年性認知症に関心を寄せる多くの市民が上映会に訪れた =市未来創造センター・多目的ホール

「若年性認知症」への正しい知識 映画「オレンジ・ランプ」 支援と理解の輪を広げる うむやすみゃあす・ん診療所

 世界アルツハイマーデーにあたる21日、島しょ地区初の認知症疾患医療センター(連携型)の認定を受けている、うむやすみゃあす・ん診療所(竹井太院長)は市未来創造センターで映画「オレンジ・ランプ」の上映会を行った。39歳で「若年性認知症」と診断された丹野智文さんの実話を基に制作された作品を観ようと多くの市民が訪れ、丹野さんからのメッセージ動画も公開され、映画鑑賞を通して認知症を自分事として理解する機会となった。
 一般的に高齢者に多い認知症だが、若年型は65歳未満で発症する。約3割が50歳未満で発症し、診断までには「認めたくない」「まさか自分が」などで時間がかかる場合も多いとのこと。また診断され、職を失うと経済的にも家族への影響が大きく、多くの人が理解する必要がある。全国で4万人近くがいるという。
 上映前に竹井院長は「この映画を鑑賞することで、いつ自分や近しい人が発症するかもしれない『若年型の認知症』についての正しい知識と間違った知識の認識を深く知る機会となる。丹野さんも自分の声をぜひ皆さんに届けたいと思い、メッセージを頂いた」と語った。
 丹野さんは「映画の中で実際に『若年性認知症』を発症した当事者4人が顔出しで出演している。この映画を鑑賞することで皆さんの認知症への理解が深まることで『誰かが発症しても安心できる宮古島』のきっかけになれば」と伝えた。
 会場には多くの市民が訪れた。そのうち下地川満で老人ホーム、デイサービスなどを運営しているラポールの玉元真由美代表は「鑑賞できて良かった。特に丹野さんの会社が理解し、社長自らが率先して認知症教育をするなど社会全体で支援することの大切さを知ることができた」と話した。
 同診療所では認知症相談や家族らのつなぎの場として毎月第二土曜日に「おれんちカフェ・うふゆ」を開き、このほど100回目を迎えたとのこと。
 また、毎月第三日曜日は市働く女性の家(ゆいみなぁ)で若年性認知症家族会「ま~つきずみの会」も開いている。
 問い合わせは同診療所(79・8000)まで。

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