将来の健康被害を警告 宮古島地下水研 高機能浄水処理施設設備の要望 健康講習会で
宮古島地下水研究会(共同代表=友利直樹、前里和洋、新城竜一)は8日、市未来創造センターで「ネオニコチノイド系農薬による健康影響」をテーマにした健康講演会(宮古地区医師会後援)を開催した。農学博士でもある友利共同代表はネオニコチノイド系農薬の暴露で宮古島市民への健康への悪影響の可能性を紹介し、「汚れた地下水は洗い流せない。子や孫、ひ孫の健康を守るためには、この問題に真剣に取り組む必要がある」と強く訴え、参加者からは質問が相次いだ。
友利共同代表によると同研究会は、袖山浄水系および加治道浄水系の水道水の年間モニタリング調査を行い、ネオニコチノイド系農薬が毎月検出されていることを明らかにした。さらに、市民の尿や養殖場の底砂、湧水からも複数のネオニコチノイド系農薬成分が検出され、宮古島の地下水や水道水が化学農薬による複合汚染の状態にあることが確認されていることも強調した。
友利共同代表は「子どもたちの健康と未来を守るためにはネオニコチノイド系農薬やPFASなどの環境化学物質や鉛といった重金属を除去する高機能活性炭浄水処理などを擁する『高度浄水処理施設』を早急に整備すべきだ」と語気を強め、「できる限り早期に化学農薬依存から総合的害虫管理に移行し、ネオニコチノイド系農薬といった健康に有害な浸透性農薬の使用をやめる必要がある」と訴えた。
その上で「このままでは子や孫、ひ孫にまで健康被害が生じる可能性が高く、将来的に『MIYAKOJIMA症候群』と呼ばれる発達障がい、高度肥満、糖尿病、生殖障がいを伴う健康被害が多発する可能性があるため、早急な対策が必要だ」と持論を展開した。
また、同研究会では座喜味一幸市長に対し市民6400筆の署名を添えた「高機能活性浄水処理施設整備の請願」を提出したがその反応もなく、市議会においても専門家の意見を聞くことなく審議未了で廃案となっていることを報告した。
8月27日に同研究会は糸数公県保健医療部長を訪ね、ネオニコチノイド複合汚染と子どもたちへの健康影響について説明し、「高機能活性炭浄水処理施設整備の要望」を提出したという。
また、10月11日に東京都永田町の衆議院議員会館で開催される「デトックス・プロジェクト・ジャパン5周年記念シンポジウム」で宮古島市の地下水・水道水のネオニコチノイド複合汚染と子どもたちへの健康影響について報告することも明かした。