健康に働ける職場築く 労働衛生大会で宣言 県労基協支部等主催 建設業、港湾など多数参加
2024年度宮古地区労働衛生大会(県労働基準協会宮古支部など主催)が4日、「推してます みんなの笑顔の 健康職場」をスローガンに市未来創造センターで行われた。建設業や港湾など事業所から多数が参加し、「それぞれの職場で一丸となって健康確保対策と職場環境の改善を進め、誰もが安心して健康に働ける職場を築いていく」との大会宣言を採択した。宮古労働基準監督署からは労働者の健康確保のために労働安全衛生法に基づく健康診断の実施を呼び掛けた。新里雅人さん(県立宮古病院医師)の特別講演「適正飲酒について」も行われた。
今年で75回目を迎える全国労働衛生週間は10月1~7日の期間で実施される。その前に開催した同大会は県労働基準協会宮古支部、建設業労働災害防止協会県支部宮古分会、港湾貨物運送事業労働災害防止協会沖縄総支部宮古支部、陸上貨物運送事業労働災害防止協会県支部宮古分会が主催した。
主催者を代表し、県労働基準協会宮古支部の渡真利勝支部長が「各職場における労働衛生管理活動を通して労働者の心身の健康活動と快適な職場環境を目指し労使一体となって安全衛生活動に取り組み、みんな笑顔の環境職場であるよう願っている」とあいさつした。
宮古労働基準監督署の井上茂樹署長は、宮古地区の職場における定期健康診断の有所見率(受診した労働者のうち健康診断の項目に何らかの異常の所見がある人の割合)は74・3%で前年より1・5増加し、県平均よりやや高く全国平均値の58・9%を大きく上回る状況を説明し、「働き方改革を推進して長時間労働の削減に取り組み、衛生週間を契機に一人ひとりが自身の健康管理を見直して心と体の健康づくりに取り組んでいこう」と呼び掛けた。
同署監督官の大久保優駿さんが、県内の働き盛りの世代における健康づくりをサポートするために県、沖縄労働局、県医師会、沖縄産業保健総合支援センター、全国健康保険協会沖縄支部が包括的連携に関する協定を締結した「うちなー健康経営宣言」を説明し、関係機関が一体となり健康経営に取り組む事業場をサポートしていることを紹介した。
沖縄産業保健総合支援センター産業保健専門職の千葉千尋さん、メンタルヘルス対策・両立支援促進員の根間京子さんが「誰もがいきいきと安心して働ける職場づくり」で話した。
新里さんは宮古島の酒文化、現状、アルコールがもたらす健康障害などを説明し、個人の取り組みは適度な飲酒、定期的な健康診断、趣味などでアルコール以外の気分転換を勧めた。職場の取り組みでは▽健康的な職場環境の推進▽ストレス管理プログラムの導入▽健康的な社員イベントの導入―を呼び掛けた。
大会宣言は「健康長寿沖縄の復活の鍵は働き盛り世代の健康改善にあり、労働衛生対策を推進するためには職場の労働者を含む全ての関係者が連携・協力して健康障害の防止、健康診断結果に基づく措置の実施の促進などに着実に取り組む必要がある」として誰もが安心して健康に働ける職場を築くことを確認した。