緊張感を持って地震・津波災害図上訓練を行う職員ら =市役所2階大ホール

組織連携、初動体制を確立 職員ら緊張感で対応 市地震・津波災害図上訓練

 2024年度「宮古島市地震・津波災害図上訓練」が9日、市役所で行われた。訓練では大規模な地震・津波の発生を想定。初動体制の確立、計画およびマニュアルなどの検証、対策を確認した。終了後も再度精査し、参加職員以外にも成果と課題を共有し、今後の災害対応活動体制の向上を図る方針だ。8日に発生した宮崎県日向灘を震源とする地震報道を受け、宮古島市も災害対策準備体制の中での訓練で参加職員らは緊張感を持ち、役割や対応を確認する機会となった。
 同図上訓練は6年ぶりで、八重山諸島南方で震度6弱の地震が発生したことを想定し、初動についての実践的な訓練を実施することで23年度に見直した「市地域防災計画」および「職員初動マニュアル」などの検証、さらに職員の対応力を向上させることを目的に開催した。
 訓練では緊急地震速報のあと午後2時、会場スクリーンに地震発生の映像が流れたのを皮切りに始まった。本部長に座喜味一幸市長を据え、災害対策本部を設置。総務や福祉など各対策部が緊急性の高い施設(浸水想定区域内など)への避難指示、現状の確認、被害といった情報を収集した。
 各対策部プレイヤー(職員)は各テーブルに配布された訓練資料(施設一覧表など)を確認しながらコントローラーにつながる各施設に電話し、避難や被害情報などを確認。福祉対策部は子ども園や児童館等の避難場所、けが人の有無などを確認した。
 教育・生涯学習対策部は幼稚園児や小・中学校児童生徒らの避難のほか停電、水道停止、校舎の被害状況などを確認し、ホワイトボードに書き込んだ。
 プレイヤーが集めた情報は取りまとめ、班長に報告。班長は対策部長に報告し、対策部長は対策本部でその内容を報告するといった流れで行われた。座喜味市長や嘉数登副市長らからなる対策本部では各対策部長が避難、被害などを報告し全体的な情報を共有した。
 市による記者会見の訓練もあり、市民に速やかに伝えたい情報や避難場所など市民が知りたい情報のやりとりが行われた。
 訓練後、座喜味市長は「宮崎の地震を受け、(8日午後4時42分ごろから)災害対策準備体制を取っている状況での訓練であり、臨場感と緊張感を持って実施することができた」と振り返り、総括として「課題もあったが、それらを改善し、いざという時に抜け目のないきめ細やかな対応で被害を最小限に抑え、人命を守ることにつなげたい」と語った。

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