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ミヤコカナヘビ(提供資料)

ミヤコカナヘビの生態解明 早熟で高速繁殖を確認 琉大研究チーム 国際誌に成果掲載 絶滅危惧種の新知見

 琉球大学の研究チームが、絶滅が危惧(ぐ)される宮古諸島固有のトカゲ、ミヤコカナヘビの生活史特性を明らかにした。ミヤコカナヘビは非常に早く成熟し、多くの個体が1年以内に死亡することが判明。特に春に孵(ふ)化した個体は、孵化後約2・5~3カ月で産卵し、1年のうちに2世代が回ることがあることがわかった。この研究成果は7月16日に国際学術雑誌「CurrentZoology」誌にて公表された。

ミヤコカナヘビでみられた生まれ時期による繁殖開始時期の違い(提供資料)


 この研究は、同大学理工学研究科博士後期課程の安里瞳氏と琉球大学熱帯生物圏研究センターの戸田守准教授により、5年半にわたる調査の結果として成された。ミヤコカナヘビは、絶滅が危惧される種として環境省レッドリストにも掲載されており、その保全の急務は明らかだ。そのため、同研究の生活史特性の解明は、絶滅危惧種の保全戦略に新たな光を投げかける。
 研究によると、ミヤコカナヘビの個体群の約半数が年2世代のサイクルで命をつないでおり、これが個体群維持に関与している可能性が高いことが示唆された。また、夏以降に生まれる2世代目の個体が、1世代目に比べて翌春までの生き残りが良く、その年の繁殖を支えることも明らかになった。
 この発見は、半多化性という新たなライフサイクルの概念を提唱し、季節性のある地域に生息するトカゲで初めてその存在を実証した。
 今回の研究成果は、ミヤコカナヘビの保全対策において重要な知見であり、特に環境変化や人間活動による影響が懸念される中、種の保存法に基づく国内希少野生動植物種として、その保護と個体群維持のための具体的な対策が求められている。
 本研究は、WWFジャパン南西諸島プロジェクト、公益財団法人自然保護助成基金第31期プロ・ナトゥーラ・ファンド助成、環境省生物多様性保全推進支援事業の支援を受けて実施された。
 研究の詳細は、同誌のオンライン版で確認することができる。

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