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宮古島次世代エイドについて会見した(左から)米井代表理事、中村副会長、竹井会長、大城教育長、佐久本校長、城間専務 =宮古地区医師会

産官学連携「宮古島次世代エイド」発表 子どもたちの健康未来目指し 結の橋学校給食に玄米導入

 宮古地区医師会、市教育委員会、沖縄食糧、公益財団法人医食同源生薬研究財団の4者は19日、平良東仲宗根の同医師会で会見し、宮古地区から産・官・学連携で若年層の健康増進などに取り組む「宮古島次世代エイド」について発表した。伊良部島小中学校(結の橋学園)の給食に週に一度「ロウ層除去玄米」を取り入れることで子どもたちに健康的な食生活を身につけさせ、全国共通の社会課題解決のモデルケースになることを目指す。
 会見には、同医師会から竹井太会長と中村献副会長、市教委から大城裕子教育長と結の橋学園の佐久本聡校長、沖食から城間剛専務、同財団から同志社大学教授でもある米井嘉一代表理事が臨んだ。
 市は成人のメタボリック症候群や肥満、高血圧の割合が県および全国と比べても高く、がんによる死亡率も全国平均を上回る状況にある。特に、子どもたちの間で肥満傾向が高まっており、生活習慣病のリスク増加が課題となっている。
 そこで4者は健康増進と未病予防対策の推進を掲げ、「これからの宮古島を担う若年層の健康増進を図り、地域における医療費の抑制に向けた未病予防対策及び新たな健康づくり」を目指す包括連携協定を4月1日に締結。同協定により今後2年間取り組み、結の橋学園を対象にデータ習得期間を2年間、解析期間を1年間で2027年3月31日までを予定している。その結果を踏まえ、島内全体への波及を目指す。
 具体的には同学園児童生徒に週に3回の白米提供のうち、同玄米を1回導入し、栄養価の高い食事を提供することで子どもたちの健康状態の改善に取り組む。
 米井代表理事によると加工玄米の摂取が健康状態の改善や疾病罹患(りかん)率の減少に寄与するという。大城教育長は「4月からすでに導入しており、1学期は週に1回でブレンド割合を50%として実施」と述べ、2学期から週に2回の同玄米提供を予定という。今後、提供日数やブレンドの割合を模索、調整していく。
 佐久本校長によると、児童生徒の評価も高く、子どもたちだけでなくそれぞれの家庭での食育意識を高め、家庭内での健康増進などに取り組むことで、島内全体での健康意識向上を図る。
 また、同医師会では市内の小中学校に健康に関する講話を年に複数回行い、個々人および各家庭での食育の浸透に努めていく。
 竹井会長は「次世代を担う子どもたちの未来がいかに明るくできるのかを尽力し、島全体で取り組んでいければ」と思いを強調した。

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