「ケーエムエフ」合弁設立で会見 パラダイスプラン寿製菓 生産増で地域経済循環へ
「宮古島の雪塩」とその他関連商品を製造販売するパラダイスプラン(西里長治代表)と鳥取県米子市の寿製菓(城内正行代表)がこのほど、合弁会社を設立し、宮古島を拠点とした沖縄土産菓子製造販売事業に進出することを発表した。会社設立日は8日。会社名称は「ケーエムエフ」で、城内代表が兼務で代表取締役に就任する。
4日、西里代表と城内代表により宮古島商工会議所で会見が開かれ、事業計画などを説明。2026年7月に平良荷川取の那覇鋼材宮古支店鉄筋センター隣に沖縄最大級規模となる菓子工場を建設し菓子生産稼働を開始する予定。生産数を増加させ、宮古圏域の雇用創造、産業振興、6次産業化の加速を目指すとした。
新たに建設される工場での生産品目は、今期およそ5億円の売れ高を見込み、売れ行きが好調だという「雪塩さんど」と「雪塩ふぃなん」のほか、県内各社の菓子の受託生産(OEM)も行っていく。
また、工場の立地がクルーズ船バースの最寄り地になることから、飲食や買い物を楽しめる商業施設を併設、雪塩ミュージアムのように新工場も製造現場が見学可能な施設になる予定だという。
合弁設立の背景について、西里代表は「製造業不毛の地と言われた宮古島にて最先端の土産菓子工場を建設し、産業の活性化、雇用創造を促進したい」という自社の思いと寿製菓の「高い市場成長が見込まれる沖縄エリアに製造拠点を構えることで沖縄エリアでの事業成長を加速させたい」との考えが合致したと説明した。
城内代表は「さらに生産性を増やす必要性に駆られた。宮古島現地で生産するということがブランド化につながり、互いの事業成長を加速させる価値あるブランド商品を作っていきたい」と語った。
会見には市で生産される農水産物の付加価値向上や地産地消を推進するため、6次産業化および市内流通に取り組む者を支援し、生産者および関連事業者の所得向上につなげる事業を展開する宮古島市から嘉数登副市長も出席した。
嘉数副市長は「コロナ禍が明けての経済復調を大きな商機とし、地域内の経済循環につなげてほしいと考え、官民が協力して加工産業を盛り上げ、付加価値を生み出していく必要性も感じている。市としてもこのような取り組みを追随するその他企業の出現を期待するとともにケーエフエムの事業成功を願っている」と述べた。
建設計画は25年6月に工事着工、26年5月に工場完成、26年7月に操業開始予定。敷地坪数は2千7百坪、施設は1千6百坪。目標売上高を28年度に30億と設定。施設全体の従業員数はおよそ100人を予定しており、総投資額は約35億円。城内代表は「雪塩商品はまだまだ伸びる余地がある」と熱弁をふるった。