24年度第1回在宅医療・介護連携推進協議会が行われた =市役所2階・大ホール

高齢化進む市の連携支援計画 在宅医療・介護推進協議会 包括的な体制構築

 2024年度の第1回在宅医療・介護連携推進協議会(会長=嘉数登副市長)が3日、市役所で開かれた。医療と介護の両方を必要とする高齢者が住み慣れた地域や希望する場所で不安なく最後まで過ごせる環境整備を目指し開かれているもの。本年度で3年目。協議会では、本年度の事業計画を確認。日常の療養支援、入退院支援、急変時対応、看取(みと)りなどについて報告するとともに、高齢者人口がピークを迎える2040年問題への課題解決などに向けた意見を交わした。
 宮古島市の高齢化率は県平均を大きく上回っており、23年2月末時点で高齢化率27・7%(4人に1人が高齢者)、30年には65歳以上人口がピークを迎え約2・9人に1人が高齢者で、40年には医療および介護の両方が必要な75歳以上人口がピークを迎える見込み。
 そのため今後、生産年齢人口(15~64歳)は減り、医療や高齢者の支え手も減る病院や高齢者施設ではなく自宅での看取りが増えていく傾向だと予想されている。こうした状況を踏まえ、切れ目なく在宅介護と在宅医療を提供する体制の構築を目指して、協議会で議論を重ねている。
 22年度には①日々の療養支援②入退院連携③急変時の対応④看取り―の4場面で作業部会を設置し、昨年度は、入退院連携にかかる流れの見える化を目指した取り組みに着手。医療と介護が包括的かつ継続的に受けられる環境を整備することを目的に連携ルールづくり、また質の高い情報共有に基づいた連携を行うため、共通の連絡シート作成にも取り組んだ。
「今は本人の意思より家族の思いで治療維持を継続している状態」の課題解決に向け、本年度は①作業部会による退院連携シート作成②入院連携シートの活用推進③あんしんノートの普及PR④医師会と連携した研修会の検討⑤救急医療情報キットの配布―を取り組み計画とした。
 協議会冒頭では嘉数会長から委員らに委嘱状交付が行われ、代表して宮古地区医師会在宅医療介護連携統括アドバイザーの泰川恵吾さんが受け取った。また、泰川さんは副会長に就任。委員らは在宅医療介護連携推進事業の実施計画案、「目指すべき姿」で意見を交えた。
 泰川副会長以外の新任委員は次の皆さん。カッコ内は団体名と役職。
【医療】上里雅江(宮古地区薬剤師会・薬剤師)▽金城美奈子(県立宮古病院・地域連携室長)【介護】砂川真利香(県理学療法士協会・宮古支部長)▽池村朋浩(県介護支援専門協会宮古支部・支部長)【行政】山川宗貞(宮古保健所・所長)▽宮城石(宮古福祉事務所・所長)▽上地一史(市消防本部・消防長)▽守武大(市福祉部長)▽狩俣博幸(市民生活部長)

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