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ケーソン工事の現場で説明を聞く生徒ら =平良港

建設産業の担い手育成へ 総実生徒ら工事現場見学 ケーソン、波消ブロック

 平良港湾事務所(與儀成也所長)は3日、建設産業の担い手育成を目的に宮古総合実業高校の生徒を対象にした「平良港現場見学会」を行った。平良港の役割や平良港(漲水地区)防波堤(西)ケーソン工事、平良港(本港地区)防波堤(下崎西・改良)消波ブロック工事の現場で説明。生徒らは熱心に耳を傾け、港湾事業や建設業に理解を深めた。外国などのクルーズ船が寄港する平良港国際クルーズ拠点整備事業の現場も見学した。

鉄筋コンクリートで作られるケーソン


 見学会には、同校の食と環境科環境クリエイトコース・土木専攻の生徒らが参加した。
 與儀所長は「宮古で消費される食料品や自動車などは港を通じて入っており、住民の生活を支える港湾の役割がある。製糖工場で精製されたサトウキビの糖蜜も港を通じて県外に出荷されるので産業を支える港湾の役割もある」と述べ、「事業説明や現場を見てもらって建設業に理解を深め、将来の職業選択の一つにしてほしい」と呼び掛けた。
 平良港(漲水地区)防波堤(西)ケーソン工事現場では、丸尾建設現場代理人の稲福政彦さんが説明。ケーソンは鉄筋コンクリートで作った箱のことで、波を防ぐ防波堤や船を止めるための岸壁として使用する。工事現場では6函(はこ)のケーソンを製作し、仮置きしていることや製作ヤードは枠型大組ヤードと鉄筋加工ヤードに分かれていることなどの説明があった。
 台船上で行われるケーソン製作は1函あたり3層~4層に分けてコンクリート打設するため、打設に合わせ足場(5段~7段)を先行して組み立てる。現場を訪れた生徒らは、近くで見るケーソンの大きさに驚いていた。
 平良港(本港地区)防波堤(下崎西・改良)消波ブロック工事現場では、千代田開発現場代理人の仲間博人さんが説明した。ブロックの特徴は「波浪、流水のエネルギーを吸収、分散し防波堤を保護する」という。重心が低く、安定性に優れていることやブロックの製作、施工が容易であり経済的と紹介した。
 平良港は▽漲水地区(生活物資関連、クルーズ船など)▽トゥリバー地区(人工ビーチ・マリーナ、ホテルなど)▽下崎地区(砂・砂利、鉄くず・アスファルトなど)―で整備。今回の見学会となった工事は漲水地区で行われている。

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