かん水作業、5日に開始 少雨傾向に迅速な対応 市干ばつ対策会議 かんがい施設未整備対象に
宮古島市干ばつ対策会議(会長・石川博幸市農林水産部長)が2日、市役所3階全員協議会室で行われた。梅雨明け後、少雨傾向なことから干ばつ対策に迅速に対応するために5日からトラックによるかん水作業を行うことを決めた。対象はかんがい施設未整備地区やかん水器具などのない農家で、かん水作業は夏植用種苗、春植、株出、夏植、草地の順で行われる。石川農林水産部長は「昨年はかん水作業の取り組みが遅れ、農家には大変迷惑をかけた。今年は迅速な対応でサトウキビの収量アップにつなげていきたい」と述べた。
石川農林水産部長のあいさつのあと事務局が実施方法や負担金などを説明した。
かん水作業は宮古地区トラック事業協同組合所属のかん水タンク所有者が行う。費用は大型トラック1台4500円とし、農家負担金を原料員に支払う。内訳は市補助金が2500円、農家負担金が2000円となっている。
対象区域は市全域。かん水作業は各地区製糖工場の原料員に申し込み、農家負担金は申請するときに支払う。給水場所は宮古土地改良区が指定する3型給水施設、宮古製糖城辺工場、伊良部地区の市農村整備課管理の3型給水施設。かん水量は1農家20㌃(6台)を1巡として、2巡目以降は降雨量を基に判断する。
トラック1台あたりのかん水作業回数は12回までとした。作業時間は午前8時から午後5時まで。かん水作業中は熱中症に気をつけ、無事故無災害に務めることが呼び掛けられた。
宮古島地方気象台からは梅雨期間(5・6月)の降水量の説明があった。降水量は宮古島(下里)が1001㍉、下地島(下地島空港)が603㍉、鏡原(宮古空港)が871㍉、城辺(新城)が684㍉、仲筋(多良間空港)が607㍉で、いずれも平年値を超える雨量となった。週間天気は8日まで晴れの日が続き、降水確率は10%~20%と少雨傾向。向こう1カ月の降水量はほぼ平年並みの見込みだという。
昨年の梅雨時期の降水量は平年の5割以下で、かんばつ対策会議が行われた頃にはかん水施設の無い地区ではサトウキビの葉にロール現象が出ていた。今年は梅雨時期の雨量は多かったが余裕を持って早めの対策に乗り出した。