宮古島税務署管内は26年連続で「西里大通り」が最高路線価となった

12.5%増、3年連続増加 24年分路線価 西里大通り13万5千円 26年連続で最高路線価

 【那覇支局】沖縄国税事務所は1日、相続税や贈与税の算定基準となる2024年分の県内路線価(1月1日現在)を公表した。県内標準宅地の評価基準額の対前年変動率の平均値は5・6%(前年3・6%)で10年連続の上昇で全国2位だった。宮古島税務署管内の最高路線価は26年連続で市平良西里の「西里大通り」で、1平方㍍当たり前年比12・5%増の13万5千円。県内6税務署管内で最大の上昇だった。専門家は「底堅い店舗需要とアフターコロナによる観光客の急増で投資需要が高まっていることから上昇した」と分析している。増加は3年連続。


 仲本徹地価公示評価員・代表幹事は宮古の状況について「コロナによる行動制限が解除され、観光客が一気に押し寄せてきて、西里大通りを中心に人流が戻りつつある。店舗需要も強く、賃料も増加傾向にある。他の地域と比較しても値ごろ感があることから地価水準が上昇している」と説明。事例として、「売値の付け値で取引される状態で、高めの値付けをしてもそれ以上の高値で売買される事例もある」と話した。
 今後については「観光客の増加が予想される中で、宮古も観光事業の強さからするとまだまだ伸びてくると思われる。商業地の需要も投資事業を含めて継続すると考えられるので、上昇傾向を維持すると思う。一方で、物価の上昇やマイナス金利解除による金利の上昇など投資意欲の懸念材料もある」と話した。
 県内の最高路線価は02年以来23年連続で那覇税務署管内の那覇市久茂地3丁目の「国際通り」で、1平方㍍当たり前年比3・4%(3万円)増の150万円で、2年連続の増加となった。県内6税務署管内全てで最高路線価が上昇し、最も上昇幅が大きかったのは宮古島税務署管内の「西里大通り」。次いで北那覇管内の那覇市おもろまちの「那覇中環状線」で前年比7・3%増の88万円、沖縄管内の北谷町美浜の「町道美浜1号線」の6・4%増の25万円、名護管内の名護市為又の「名護バイパス」の4・2%増の7万4千円、那覇管内の「国際通り」の3・4%増の150万円、石垣管内の石垣市大川の「美崎新栄通り」の3・3%増の15万5千円の順となった。
 路線価は相続税や贈与税の算定基準となり、毎年1月1日を評価時点にして、時価の80%を目途に算出されている。詳細などは国税庁のホームページで閲覧できる。

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