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雨天の中、盛大に式典が開かれた =9日、佐良浜漁協

「ゴーヘイ」掛け声漁港に響く 海神祭 航海安全、豊漁願う 宮古各地で盛大に開催

 旧暦5月4日の「ユッカヌヒー」に当たる9日、宮古島市各地の漁港で海神祭(ハーリー)が開催された。各地でさまざまな催しを実施。佐良浜の海神祭には多数の来賓が出席したほか、園児、児童生徒の演舞、「オーバンマイ」など地域住民が一丸となって盛大に祝福。爬龍船(はりゅうせん)レースでは漁港は活況に包まれ、1年間の航海安全と大漁を願った。

スタートの合図で一斉に漕ぎ出し「ゴーヘイ」のかけ声で爬龍船を滑るように進ませる


 この日海神祭が行われたのは、池間、狩俣、島尻、荷川取、佐良浜、久松、布干し堂、真謝、高野、浦底、博愛(宮国)、来間。それぞれ漁業協同組合や自治会、実行委員会、船主組合などが主催した。
 そのうち佐良浜漁港では式典で座喜味一幸市長のあいさつを石川博幸農林水産部長が代読し、「市の第一次産業を支える一大拠点の佐良浜で、百年を超える伝統行事が盛大に行われることに敬意を表する。宮古島市はコロナ前に増して活気に満ちあふれている。市の水産業のさらなる振興と漁業者の所得税向上につなげていくためにも佐良浜がますます発展し、市全体に波及することを大いに期待する」と述べた。
 県宮古農林水産振興センターの平安名盛正所長が「ここ佐良浜はパヤオ発祥の地であり、カツオ一本釣りやマグロ漁が盛んに行われ、明治時代からの伝統漁法であるアギヤーも現存し伝統文化が色濃く残る漁業集落。今後も漁業者の皆さま、地元民、観光客が一体となって地域が盛り上がることを期待している」とあいさつした。
 佐良浜保育所の園児、結の橋学園の児童生徒、婦人会や老人クラブなど多くの地域住民が多彩な演舞を披露。座喜味一幸市長も久松漁港の海神祭後に駆け付け、佐良浜アーグ楽団による演奏や力強い太鼓の音、元気いっぱいの掛け声が港中に響き渡った。悪天候のため恒例の陸上パレードは中止となった。
 御願(ニガイ)では前里添出身の前里美佐子さんが午前7時半に大主神社で海神祭の報告をし、同漁協前では関係者らで神酒を海にささげるなど1年間の航海安全と豊漁を願った。
 爬龍船(はりゅうせん)レースでは転覆などアクシデントもあったが、池間添と前里添の対抗戦など御願バーリー以外にもさまざまな競争が行われた。大人は港の外までサバニを漕いだが、伊良部島小中学校の児童生徒は漁港内で実施。職域レースでは陸上自衛隊と海上保安部も初めて参加した。
 各漁船は大漁旗で鮮やかに飾り付けられ、陸自による炊き出しで無料カレーが振る舞われ、同漁協が1・5㌔用意したというカツオの切り身の「オーバンマイ」など地元住民や見物客で大いに盛り上がる海神祭となった。

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