宮古上布後継者育成事業の閉講式と開講式に参加する研修生ら =市伝統工芸品センター

受け継がれる技術学ぶ 宮古織物協組後継者育成事業 閉・開講式で受講者決意

 2024年度宮古上布後継者育成事業の開講式が3日、上野野原の市伝統工芸品センターで行われた。本年度は製織部門、藍染部門、洗濯・砧打ち部門にそれぞれ1人ずつが参加し、同日から来年3月31日まで宮古上布を織るための基本的な知識や技術などを学ぶ。研修生たちは先人から受け継がれてきた伝統工芸の習得に向けて気を引き締めていた。
 開講式では、事業を実施する宮古織物事業協同組合で理事長を務める嘉数登副市長(代読・浦崎美由希専務理事)が「研修生の皆さんは宮古上布各工程の技術を受け継ぎ、それぞれ一人ひとりが宮古織物の職人へと育っていってほしい」とメッセージを送り、研修生を激励した。
 本年度受講するのは佐藤祥子さん(製織)、新里恵さん(藍染)、岩本大輔さん(砧打ち)の3人。代表して佐藤さんが「移住してきてこの半年でいろんな体験をしていく中で、宮古島の方たちが形を変えず大切に残してきた宮古上布を学びたいという気持ちが芽生えた。この育成事業により、宮古島の伝統文化に携われることをうれしく思う。これから一生懸命頑張る」と決意を述べた。
 また、23年度同事業の閉講式もあわせて実施され、修了生あいさつとして製織を受講してきた保栄茂妙子さんは「とても濃密であっという間の一年間だった。1つの区切りとしてこの事業では卒業ということになるが、さらに上級の技術を新しく入ってくる研修生たちと一緒に学んでいきたい」とあいさつし、浦崎専務理事から修了証を受け取った。
 同事業は宮古上布従事者の高齢化に伴い上布の生産反数が激減している中で、若手従事者の基礎技術研修を目標としている。

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