各自が持ってきた供物をそなえ、線香を燃やし拝んでいた
=飛鳥御嶽
豊年祭に人々訪れる 飛鳥御嶽 「サン」奉納で 家内安全と子孫繁栄
南増原里会の狩俣恵吉自治会長ら地域住民は21日、市内城辺東仲宗根添にある飛鳥御嶽(とびとりうたき)で豊年祭を実施した。南増原里を含む市内の人々が途切れることなく訪れ、家内安全と子孫繁栄を願い「サン」と呼ばれる奉納物を手作りし奉納した。
豊年祭では、参加者がお供物と線香を持参し、前日に仕込んだ神酒(ミキ)を振る舞いながら、飛鳥御嶽の歴史や意義について語り合った。
飛鳥御嶽は、増原から海岸にある森の中に位置し、歴史的には飛鳥爺(トゥビトゥリヤ)の居城跡とされている。同氏は「その勇は虎の如くその速きことは飛鳥の如く」と評された人物で、その霊を祀(まつ)って飛鳥御嶽と呼ばれるようになった。
祭神としては、飛鳥主脇神に加え、西銘主および龍宮神が祀られており、昭和初期には鳥居と参道脇に灯篭が建立されたという。
自治会幹事の根間玄喜さんは「先人からの伝統を大切にしている。各自がお供物と線香を持って来て拝んで帰る」と語った。
また根間さんは砂川とここだけに伝わる「サン」と呼ばれる奉納物を手作りしていた。ここに住む29軒207人分のかやの葉を束ね、かやの枝に結んでいた。
「サン」の意味は家内安全と子孫繁栄を願うもの。朝から手作りし夕方には奉納していた。