各地で冠水被害、交通渋滞も 今後も土砂災害に注意喚起 観測史上最大値更新も
梅雨入り宣告前日となった20日午後9時から朝方にかけ宮古島地方では大雨が襲い、21日午前2時58分には大雨警報・雷注意報が発令された。夜が明けると各地の道路は冠水し、通行止めや渋滞が起こるなど交通事情に不備が生じた。また、水浸しになるほ場も観られるなど大雨による打撃を受けた模様。21日、沖縄気象台は沖縄地方の梅雨入り宣言をし、これから本格的な雨の季節となる。大雨警報(土砂災害)は同日午後2時6分に解除された。
宮古島地方で20日午後から降り始めた雨は徐々に勢いを増し、21日午前0時を過ぎると豪雨となり、同日午前5時50分までに宮古空港で258・0㍉、下里で250・0㍉を記録。下地島空港でも91・5㍉(同4時40分まで)、城辺で65・0㍉(同5時40分まで)を記録した。
これにより下里、宮古空港では3時間および6時間の降水量の観測史上日最大値を更新した。
同様に同地点は12時間および24時間の5月の降水量日最大値も更新。降水量はそれぞれ宮古空港302・5㍉、307・0㍉。下里296・0㍉、300㍉となった。
1時間の降水量も宮古空港で100・0㍉(午前3時27分まで)を記録し、統計を開始した2003年からの観測史上それまでの07年9月9日の89㍉を超える最大値を更新。下里では83・0㍉(午前3時29分まで)を記録した。
交通事情としては市内から伊良部大橋へと向かう手前の県道252号線の三叉路が冠水し、午前8時36分まで通行止めとなった。午前6時ごろから県から要請を受けた事業者がポンプ車で吸水、排水するなど作業に励み、通行止め解除後も同橋の頂上から渋滞が起きた。午前10時ごろには排水作業が完了した。
また、市熱帯植物園の三叉路で立ち往生していた介護職員だという男性2人は「畑も水浸し。田んぼやマングローブじゃないんだから」と苦笑いしつつ、「いくら河川や水路がないとはいえ、こんなに水はけが悪いのは他の地域では見たことない」「対策しないといけないのではないか」などと話していた。
同気象台ではこれまでに降り続いた記録的な雨で地盤の緩んでいる所があり、今後少しの雨でも土砂災害の起こる可能性があるなど注意を呼び掛けている。