22日国際空き家サミット開催 狩俣集落セで 過疎地域の課題対策を考えよう 4カ国の専門家講演など
狩俣自治会の國仲義隆会長とかりまた協働組合いんばりの根間太一共同代表は16日、宮古新報社(洌鎌敏一会長)を訪ね、22日に「国際空き家サミットin狩俣」を開催することを発表した。國仲会長は「過疎地域の課題とされている対策について考える機会となる」と来場を呼び掛けている。同サミットは同日午後3時から始まり、専門家の講演や交流会などが行われる予定となっている。
近年、同地区だけでなく島全体の集落で限界集落や過疎地域の多くが少子高齢化を課題としており、4月に施行された「空き家対策特別措置法」により「空き家認定」された場合は固定資産税が最大で6倍の課税となる。
そのことから同サミットで空き家対策における各分野の専門家を招き、過疎対策を講じる。
講師として琉球大学島嶼(しょ)地域科学研究所の波多野想教授をはじめ、台湾から鍾俊彦氏や王騰崇氏など空き家対策の専門家が成功例などを語る。実際、台湾では旧水道局の宿舎をリノベーションすることで交流の拠点となった実例もあるとのこと。
また、同自治会では本年度の事業計画に「狩俣まるごとテーマパークで過疎対策・人材育成・伝統継承を推進」が盛り込まれており、台湾の成功例などから「リトル台湾」を目指し、「空き家の活用」「メタバース(仮想空間)」を融合させることにより地域社会の発展を図るとしている。
また、國仲会長によると「『空き家』は一つの対策では解決しない。そこに残された仏壇をどうするのか、住みたい人がいてもシロアリ駆除などさまざまにある」と問題点を指摘した。
その上で「今回、世界4カ国の空き家対策専門家を招き、狩俣だけでなく過疎地域の課題とされている問題や対策について考える機会となる。ぜひこの問題を共に考えてほしい」と多くの来場を呼び掛けている。
当日の講演ラインナップは▽台湾・ファンタジー社「miyako空き家の活用と集落エコシステムの構築」▽ユカリエ(永野健太代表)、エンジョイワークス(福田和則代表)「空き家リノベ実例と新しい資金運用のご提案」▽全国空き家アドバイザー協議会県名護市部(山入端学氏)「地域の空き家問題の現状と活用・わが家の終活」▽県メモリアル整備協会(東恩納寛寿氏)「空き家に残された仏壇はどうするべき」▽スタンフォード大・琉球大学客員研究員(アロン・ホープス氏)「外国人から見た癒しの島:狩俣の魅力」―のほかトークセッションで質疑応答などが行われる。
同サミットに関する問い合わせは集落センター℡72・5051まで。