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保護犬が収容されている施設 =県宮古保健所

「犬猫殺処分ゼロ」求める 市議会・愛護団体 県に保護強化を請願 市にTNR拡充要請も

 県に対し、「離島における犬猫殺処分ゼロに向けた動物愛護行政の機能拡充」を強く訴える特定非営利活動法人ねこハピ(大出恵理子代表)とアニマルバディ(呉屋順子代表)、市議会議員の久貝美奈子氏の3者は21日、平良西里のねこハピで県へのTNR施術場所などの拡充を求める請願についての報告を行った。3者らは市の現状から本島と同等の環境や施設の必要性および行政の協力を求めている。
 市の現状は犬猫の収容数が多く、保護団体や市民ボランティアが譲渡活動を行うことで殺処分ゼロが実現できているが、今後も継続するには厳しい現状。県では2022年10月に県動物愛護管理センター・譲渡推進棟が南城市に開設され、保護した犬猫の譲渡適性を上げるため、しつけや健康管理などを行っている。
 TNRとは捕獲器などで野良猫を捕獲(Trap)し、不妊や去勢手術(Neuter)を行い、元の場所に戻す(Return)頭文字を取った造語。
 同3者は2月22日付で市議会へ連名で同請願書を提出し、市議会は3月29日付で請願を採択する旨を通知した。
 離島である宮古島における請願趣旨は①本島と同等な譲渡推進施設の設置や機能拡充を関係機関に働きかける②県動物愛護管理センターが実施しているTNR事業を行うことを関係機関に働きかける③宮古保健所に獣医師の増員および医療体制を拡充を働きかける―の3点。その後、市議会の総意として県知事へ同内容の意見書が提出された。
 11日に同3者は市役所に嘉数登副市長を訪ね、犬猫共に宮古島に根付く重要な課題があることを伝えるとともに市へ要請。
 要請内容は▽TNRの施術が行える場所の提供▽TNRの手術代の助成金の増額▽TNRの手術代の助成金を県外の獣医師でも利用できるようにする―など。
 大出代表は「宮古島の環境は遅れており、犬猫の過剰な増加を防ぐ取り組みは環境への負担軽減や福祉向上につながる」と語り、呉屋代表は「宮古島に譲渡推進棟があれば、島内の飼い主ともつながる。意識向上に努め、問題解決を根本からしっかり進めなければいけない」と主張した。

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