玉城デニー知事が現地視察 新規就農者を激励
玉城デニー知事は19日、宮古島市農林水産振興の現地視察で新規就農者の増田充宏・結衣さん(城辺保良)、野崎雅さん(平良高野)のほ場も視察した。増田さん夫妻はゴーヤー、カボチャ、タマネギなどを栽培し、野崎さんはオクラ、サヤインゲンなどを栽培している。玉城知事は増田さんが7品目を作り、周りに還元できる農業を目指していることに「頑張ってほしい」と激励した。野崎さんのほ場ではオクラのハウス栽培に関心を示し、宮古島で3人ほどしかいないというジャガイモ栽培も激励した。
増田さん、野崎さんのほ場視察は栽培品目や農業を始めたきっかけ、苦労した点、今後の目標などを聞きながら和やかな雰囲気で意見交換が行われたという。
増田さんの視察では作っている農作物の多さなどが聞かれたそうで、「いろんな作物を触ることによって分かることがある。ゴーヤーのことが知りたかったらゴーヤーばかりを見てても分からなくなることが多い。カボチャを触っているときにメロンのことが分かったりすることをよく感じる」と答えたとのこと。
増田さんは地産地消を推奨しており、「宮古の物を宮古で食べるという流れを続けたい。地元の物を食べてもらうと農家の所得が上がり、消費者も安くおいしいものが手に入るので進めていきたい」とコメントしている。
また、野崎さんのオクラ、サヤインゲンのハウスほ場を視察。サヤインゲンのわい性種の栽培方法などを説明した野崎さんは、宮古島では路地栽培がほとんどの中で、ハウス栽培の冬場オクラの3品目に挑戦していることやジャガイモ栽培について語ったという。
視察に関しては「県から話を聞いてから待つまでの間は緊張したが、実際会ってみると親しみやすかった」、視察場所に選ばれたことについては「頑張ってきて良かった」と振り返った。
県宮古農業改良普及課が本紙に提供した資料によると、増田さんは兵庫県神戸市出身。結婚を機に妻結衣さんの希望で宮古島に移住し、2020年に独立就農した。ゴーヤー、カボチャ、タマネギなどを栽培している。就農した頃は農地の確保や資金調達に苦労した増田さんは当時、県など関係機関の支援を受けることで独立に至った。
市や観光協会と連携し、学校給食への食材提供や収穫体験の受け入れなどの新たな取り組みへのチャレンジは就農の励みになっており、「人とのつながりを大切にし、生産者と消費者の顔が見える農園にしたい。経営規模の拡大や新たな品目の栽培にも取り組んでいきたい」と今後の意欲が見える。
オクラ、サヤインゲン、タマネギなどを栽培する野崎さんは19年度に県の新規就農サポート講座を受講後に1年間の農家研修を受け、翌20年8月に独立就農。「農地が強酸性で大雨の時に冠水し、風あたりが強い立地条件のためいろいろ苦労した」と振り返り、「規模拡大をしたいが、農地がなかなか見つからない。資材が高騰しているのでハウスを増やせない」と課題もある中で研修を受けた指導農業士には今でも相談しアドバイスをもらっているそうで、「青年クラブに加入したことで栽培や販売方法などの情報収集ができている」と述べ、今後の目標については「農地を拡大し、多くの品目を作りたい。SNSを活用し消費者と直接つながる販売にも取り組みたい」と意欲的だ。