西辺中改修工事、遅延なしに安堵も 市議会追加議案 市「制度理解不足」謝罪
宮古島市(座喜味一幸市長)は19日、開会中の市議会3月定例会に2024年度一般会計補正予算(第1号)を追加議案として上程した。本会議質疑で市教育委員会は「西辺中学校校舎改築事業における予算計上の変更」が提案理由だと説明。議員から校舎改築工事への影響を問われ、大城裕子教育長が「当初の予定に沿っており工事遅延はない」と回答した。同議案は総務財政委員会での審査を経て27日の最終本会議で採決を行う。
市議会3月定例会では市政方針表明と新年度予算案を中心に質疑や審査が行われていく。その最中の19日に追加された議案は、議会採決前の新年度予算に対する補正案。新年度予算の修正案ではなく補正提案としたのは異例のこと。
議案追加の要因となった西辺中改修工事は補正案の議会承認により遅延なく進むと教育長が答弁していることもあり、同案は順当に議会通過するとみられる。一方、本会議質疑で市3役はそろって「担当部の制度理解不足」とした。
市教委は「担当部では23年度中に工事発注の仮契約を済ませば予算執行が可能と理解していたが、実際は本契約の締結が必須条件だった」と経緯を説明したものの、「仮契約は締結済みか」との議員の質問に、「入札は4月に実施予定」だと回答したことで「23年度中の仮契約で十分との認識」とした説明から矛盾が露呈した。さらに「当初の予定に沿った事業実施」との発言からは、23年度中の本契約どころか仮契約の想定もなかったこととなる。
公共事業で複数年度にわたって事業実施する際には、事前に後年度に支払う予算確保のために債務負担行為を行う。事業執行の担保を示して歳入予算として議会承認を得ることで、補助金等を事業予算として事前に確保できる措置だ。
同事業は23年度に3年間の継続事業として、国県補助金、市債、一般財源で構成される7億円余の債務負担を行い、24年度当初予算でも同額が計上されており、継続事業だと認識できる。
だが、補正案では事業事項、限度額とも変更されていることから新規事業との様相が濃くなる。議案付託を受けた総務財政委員会では、この差異についての詳細説明と補助金流用の経緯への確認が急がれる。