母牛の蹄を切る会員ら =15日、東山牛舎

4年ぶり「削蹄目あわせ会」 牛削蹄師会宮古支部 先輩・後輩会員が技術向上図る

 牛削蹄師会宮古支部(根間祐樹支部長、会員20人)は15日、城辺下里添の東山ファーム(喜屋武則吉代表)の牛舎で「削蹄目あわせ会」を行った。コロナ禍で中断し、4年ぶりに集まった削蹄師の資格を持つ会員らは母牛30頭の蹄(ひづめ)を切った。新しい会員らは一緒に作業した先輩の切り方を見ながら学んでいた。
 この会は年に1回、技術向上と親睦を深めることを目的に実施。削蹄師は普段、個々で削蹄業務を行っているが、切り方にくせが出るという。そのくせを解消して同じような切り方にするための目あわせ会を行っている。
 あいさつで根間支部長が「(削蹄師の)自身も、牛にもけがをさせないようにやっていきたい。新しい削蹄師は先輩に切り方などを教えてもらいながら勉強してほしい」と呼びかけた。このあと牛舎に入った会員らは4つの班の2人1組で母牛を誘導し、ロープで足を固定したあと削蹄鎌などを使って素早く蹄を切った。
 削蹄の値段は1頭で母牛が4千円、子牛は3500円だという。根間支部長は「国から半額の補助金が出ている」と説明。削蹄の効果については「牛の蹄は月に2、3㌢伸びる。それを放っておくと歩行が困難になる。例えば靴の中に石が入った状態では不快で歩けないように、牛もそういった状態になるので適切に削ることによって歩けるようになる」と話した。
 この日は母牛を中心に行ったが、セリに出す子牛や牛舎に保留して母牛にする子牛の蹄も切っている。「セリに出す子牛は商品なので、きれいに立たすことで購買者の評価も上がる」と話した。また「長時間立つことで草などの餌をよく食べて栄養状態が良くなり、受胎率が上がる。骨盤が外れるなどのスリップ事故を防止するためにも削蹄は大事」と強調した。

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