台湾有事の可能性を考える 宮古島を考える講演会
「台湾有事における宮古島を考える」と題した講演会が10日、市未来創造センターで行われた。主催のソリューションみやこ(津波古康代表)が情報戦略アナリストの山岡鉄秀氏を招いて「全島民が知っておくべきこと」として講話し、来場者らは宮古および先島諸島の平和について考える機会となった。
山岡氏は理解すべき基礎事項として▽米国の現状▽自衛隊の現実▽安保法制▽国民保護法の矛盾▽宮古島がすべきこと―などを挙げ、毛沢東が言い残した「100年待っても必ず台湾を併合する」の言葉や習近平も台湾を併合すると明言していることを挙げ、「平和継続がもちろん望ましいが有事の可能性も考えるべきだ」と主張した。
そのうち、自衛隊の現実や安保法制に関してはその歴史を振り返り、吉田茂元首相の「吉田ドクトリン」の是非を取り上げ、「現代に伝わる内容と実際にそこへ至った内容は違う。これを日米同盟の正しい在り方と認識している限り、米国との関係や安保は理解できない」と語り、「米国の建前と本音を理解すべき」と述べた。
また、中国が好む戦争形態として▽戦わずして勝つ▽間接侵略(影響浸透工作)▽目に見えない侵略▽都市封鎖―などを挙げ、「中国も武力行使の考えは排除していない。台湾周辺の海上封鎖が想定される。そうなると先島諸島は巻き込まれ、攻撃対象になってくる可能性は十分ある」と指摘した。
国民保護法については「国民保護法は武力行使を受けたと政府が認定しなければ発動しない。武力攻撃されれば逃げるべき。だが、政府は緊急会議を開き、そこで話し合いが設けられ、そこで初めて認定し発動される。認定してからでは遅い」とし、「攻撃されれば相手は待ってくれずもはや話し合いでは解決できない。島民は国民保護法が発動される前に自主的に避難することが求められるのではないか」と投げかけた。
山岡氏は「現在、平和であることで台湾有事が起こらないというのは国防上考えてはならない。国防の上では台湾有事は起こり得ると考えるべき。間接侵略など武力行使だけが有事ではない」と訴えた。