参加者らは車いすの坂道での昇り降りなど介護の基本を学んだ =市未来創造センター内研修室

実践想定し基本講座開催 介護労働安定セ 宮古の介護人材育成へ

 県はこれまで介護に関わりがなかった人など介護未経験者を対象に、介護に関する基本的な知識や、介護の業務に携わる上で知っておくべき基本的な技術を学ぶことができる「入門的研修」を実施している。24日、市未来創造センターでは基本的な介護の方法の講習会が行われた。宮古島の介護人材確保へ向け、参加者たちは初めて経験する介護の苦労を知り、理解を深めた。
 20日から始まった研修は休日を挟み計7日間行われる。会場はこの日までは市未来創造センター、26日からJTAドーム宮古島で実施される。1月には石垣市でも同様に研修が行われた。
 研修には親や家族の介護について知識を学びたい、地域のお年寄りを支えるボランティアに興味がある、介護職について興味のある県民および市民らが集い介護に対する理解を得る機会となっている。
 参加者は研修で講師から人権学習や介護に関する基礎知識、介護の基本、基本的な介護の方法、介護に関する安全確保を学び、また施設見学を行ってきた。
 この日の基本的な介護の方法では車いすの押し方や実際に介護用ベッドを用いた研修が行われ、参加者らへは「押されている方は不安になるので必ず声掛けをしてほしい」「初めて車いすを押す時は力のかけ具合にコツがいるので必ず肘を伸ばすように」などの指導の下で実習が行われた。
 2月から宮古に移住したという横浜市でフィットネスなどを行うパーソナルトレーナーの高田洋史さん(クレバーフィット代表)は「地元で親の介護など必要なときが来るときのために研修に参加した。経験しなければ分からないことがあり勉強になる」とコメントした。
 26日からは基本的な介護の方法を含めた認知症の理解、障がいの理解の研修が行われる予定となっている。
 修了者は県から修了証明書が交付され、介護職員初任者研修など上位資格の一部科目が免除される。また、介護職の就労を希望する人には施設や事業所などへの紹介が支援される。

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