2023年度宮古保健所運営協議会が行われた =宮古保健所健康増進室

大腸がん検診受診率向上へ 宮古保健所 運営協議会で報告

 2023年度宮古保健所運営協議会が22日、宮古保健所で開かれ、人口動態調査をはじめ同保健所の各班による報告が行われ協議した。そのうち、健康推進班から死因別死亡数、がんの部位部位別死亡順位が報告され大腸がんが男性2位、女性では1位となっている上に大腸がん検診受診率が県平均より低いことが報告された。
 総務企画班による人口動態調査では昨年1月1日から12月末までの出生、死亡、死産、婚姻、離婚の各票を調査した。
 保健所ごとの率の比較では合計特殊出生率と死亡、死産、離婚が県全体を上回っており、死産に関しては県全体21・5に対し宮古は28・1(最小は八重山17・8)と大きく率が高い。また、生まれた人の総数から亡くなった人の総数を引いた数値である自然増減もマイナス5・3が報告された。
 健康推進班健康づくりグループによる報告では同保健所の取り組みとして23年度の40~64歳までの働き盛り世代市民を対象とした「大腸がん検診受診率向上の取り組み」が報告された。
 2016~20年度の宮古地域における死因別死亡数は男女ともに悪性新生物での死亡が最も多く、男性の大腸の悪性新生物の死亡率は全国と比べてはるかに高い上、17年調べの宮古地域の大腸がん検診受診率は男性5・0%、女性5・8%と県平均(男性8・9%、女性11・5%)より低いことを挙げた。
 その上で大腸がんは早期発見・治療で90%以上の人が治癒することから、受診率向上を目的に喚起を促す取り組みとして受診勧奨チラシを作成および配布を行い、昨年9月に中央公民館で講演会を行ったところ82人が参加し、意識調査では未受診理由として「自覚症状がない」が多数を占めたことが発覚した。また、新聞社への普及啓発記事投稿などを行った。
 構成機関との取り組みとして各事業所の職場の健診メニューに取り入れるといったアプローチなどを行った結果、40歳以上の大腸がん受診率は22年度の7・8%に比べ、23年度は8・6%と向上。延べ150人の受診が増加したという。今後の課題である農家など個人事業者への喚起を含め継続していくとのこと。
 協議会ではそのほか、地域保健班による「自殺対策について」、生活環境班による「廃棄物の不適正処理の事例について」の報告が行われた。

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