自律型、プロジェクト型で改善へ 渡真利教諭の新英語学習
市立教育研究所(平良善信所長)による第23期長期研究教員の公開授業および研究報告会が20日、鏡原中学校で行われ英語科の渡真利彩教諭が「主体的に学ぶ自律型学習者の育成を目指した授業改善~プロジェクト型学習を通して~」をテーマに公開授業を1年生の教室で行い、研究成果を発表した。市内教職員や市教育委員会から大城裕子教育長らも参観し、学び舎での児童らへの気づきなど研究成果を確認した。
同研究所の教職員研修は、教育課題に焦点を当て、教育の専門家としての資質向上を図るための取り組みを展開。市内の幼・小・中学校教諭が選出され、それぞれの教科や領域における研究テーマを設定し、研究を行うと同時に、実践的な研究を現地校で実施し、その成果を報告書としてまとめ、広く発表されている。
渡真利教諭はこれまで授業で学習意欲をなくさぬよう「苦手から楽しく」感じさせるような工夫を行ってきたが、生徒たちはただ「学ぶ手法」を楽しみ、知的な取り組みに移ると低下する課題に直面し、自身が目指す育みとは異なることに気づいたため、やり方をしっかりと考え直すために研究所入りしたことを振り返った。
そこで、どんな状況でも学ぶ力と他者との協力で人生を切り拓ける生徒になるよう教師としてその未来をサポートしたいと再認識したという。
渡真利教諭は「自ら課題を見つけ、時に協働し自ら解決法を選択し、自分なりの答えを出せる「自律型学習者」を目指し、その手段として「プロジェクト型学習」に注目したという。
研究で気づいた点として「生徒に委ねることで生徒自身の意欲は高まり、前向きに挑戦する」と述べた。教師はそこで生徒自身がやらされてると感じさせないようにするため▽教える▽確認すべき▽任せる―場面をうまく調整することの重要さを説いた上で、「教師の心の在り方が何より大切だと実践を通して学んだ」と語った。
この日の授業では「友達にビデオ通話して遊びに誘おう」という目標を設定し、生徒同士でコミュニケーションを取り合うなど生徒自身で気づき、分からないことも教え合うアウトプットを実践していた。
参観した大城教育長は報告会のはじめに、生徒らの考える力や挑戦する姿に感動したことを述べ、テーマに果敢に研究してきた渡真利教諭をねぎらった上で、今後も子どもたちの資質・能力の育成に向けた積極的な取り組みが地域の教育の質の向上に貢献することなどに期待を寄せた。
また意見交換後、琉球大学教育学部の津田敦子准教授もその成果に助言を送り、平良所長はねぎらいの言葉で報告会を結んだ。