県当初予算8421億円 3年連続で8千億円台
【那覇支局】玉城デニー知事は7日、県庁で記者会見し、2024年度の一般会計当初予算案を約8421億円とすることを発表した。前年度比193億円(2・2%)減少となる。6年ぶりに減額となるが、3年連続で8000億円を超えた。新型コロナ対策関連経費が減少したことで前年度を下回った。玉城知事は「誰もが輝き、尊重され、希望のうちに喜びを見つけることが当たり前に実現し、幸福が真に実感できる沖縄を目指し、全庁挙げて全力で取り組んでいく」と述べた。予算案は14日に開会する県議会に提出される。
同年度は玉城知事2期目の2年目の予算編成になる。①強くしなやかな自立型経済の構築②安全・安心に暮らせる沖縄へ③恒久平和の願いと希望の未来の発信④「こどもまんなか社会」の実現に向けた沖縄の未来への投資と支援⑤沖縄らしい自然と歴史、伝統、文化の継承・発展―の5つを重点テーマに掲げている。
県マリンタウン国際会議・大型展示場整備運営などの事業費に433億9800万円、製糖工場大規模整備地域支援の経費に7億9800万円、島しょ型エネルギー社会基盤構築事業に5億3900万円を計上している。子育て支援では、子どものための教育・保育給付費に181億8500万円、保育士の業務負担軽減や離職防止などの保育対策総合支援事業に16億2100万円などを計上し、子育て環境の充実を図る。海外の自治体などとの交流促進を図る地域外交推進事業には5100万円を盛り込んだ。
離島関係では、宮古空港などの整備事業に41億4900万円、水納港、普天間港などの整備事業に22億5900万円、マクラム通り線などの整備事業に5億円、宮古広域公園整備事業に3億1200万円、南原団地などの住宅整備事業に3億2100万円を充当した。離島住民の交通コストの負担軽減事業には28億6700万円、農林水産物不利性解消事業には21億6897万円、移住定住促進事業に8700万円を計上した。
歳入では県税が前年度比30億円(2・0%)増の1494億円となり、3年連続で過去最高額を更新した。各省計上(全国制度)予算が同19億円、地方財政措置の有利な県債が同25億円それぞれ増加した。新型コロナウイルスの関連経費が減少したが、こども対策の強化、教員の働き方改革の推進、緊急自然災害防止対策、モノレール基地の整備や物価高騰対策支援などの取り組みや高齢化に伴う社会保障関係費への対応などで8千億円を超える予算となった。コロナ対策費用を除くと過去最高になった。