「危険な海」表示明確に 水難事故防止へ、意見交換会
県マリンレジャー事故調査事業事務局は23日、未来創造センター多目的ホールで「水難事故防止」に関する圏域別意見交換会(宮古圏域)を開催した。県警や県消防本部、市内のマリンレジャー事業者らが参加し、「事故が多発している自然ビーチは県としてはっきり『危険』であると伝えたほうがいい」などの意見が出され、官民一体となり、水難事故防止に努めていく決意を新たにした。
同会ではまず、同事業の概要について説明。①海の安全啓発ツールの周知②海の安全開発ツールの改善③ビーチなどでの安全講習会の実施④水難事故防止に関する意見交換会の開催⑤マリンレジャー事業者向け海の安全対策セミナーの実施―を今年度の取り組みとして紹介した。
その後、沖縄マリンレジャーセイフティービューロー事務局長の前原勉さんが2023年の水難事故発生状況を説明。「23年の水難事故件数は116件で22年より10件増加、40代以上の観光客を中心に年々事故が増えている」と述べた。
さらに前原さんは事故を未然の防ぐには①高齢者の顧客に対する基準を構築する②スタッフの体制を強化する③事前情報と安全確保資機材の携行の充実④顧客に対する意識改革―の4つを挙げ、「高齢者に対する安全対策などできてない事業者も散見される。連携して事故の対策に努めたい」と呼び掛けた。
最期に意見交換が行われ、マリンズプロ宮古の冨谷剛店長は「言い方は悪いかもしれないが、事故が多発している自然ビーチについては県が禁止と強く言ってもいいのでは」と話し、宮古島海の環境ネットワーク代表の春川淳さんも「マイナスなイメージを持たれるかもしれないが、事故が起きてしまえばもっと悪くなる」と海のイメージ低下を危惧する意見を述べた。
この日の意見などを踏まえ同事務局は水難事故防止の取り組みをより一層強化することを誓った。
きょう24日は県八重山事務所で同圏域における意見交換会も開かれる。