夜明けの前の午前5時に100㌔の部をスタートする選手たち =21日、下地公園

100㌔男子・大林5連覇 ワイドーマラソン 女子は高井が2連覇果たす

 第34回宮古島100㌔ワイドーマラソン(主催・宮古島市など)が21日、100㌔の部と50㌔の部で行われた。100㌔の部に335人、50㌔の部に157人の計492人が出場し、それぞれの目標タイムを目指して新春の宮古路を走った。結果、100㌔の部男子は大林僚(38)=愛知県=が6時間52分57秒で5連覇を果たした。同女子は高井美奈子(57)=千葉県=が8時間54分13秒で2連覇した。50㌔の部男子は山谷良登が3時間27分57秒、同女子は谷中千華が4時間18分24秒で優勝した。
 100㌔の部の選手たちは発着の下地公園に午前4時ごろから集まり、1月1日に発生した能登半島地震の被災者の一日も早い復興と亡くなった人たちに哀悼の意を込めて黙とうを行った。
 開会式では大会長の座喜味一幸市長が「宮古島を満喫しながら、それぞれの目標を達成し、素晴らしいパフォーマンスができることを期待している」とあいさつし、「ワイドー」と激励した。
 沖縄タイムス社の瑞慶山秀彦専務は「100㌔は長い距離で厳しいレースだと思うが、楽しみながら走り自らの可能性に挑戦していただければマラソンの意義は素晴らしいものになる。体調には気をつけて最後まで頑張ってほしい」と述べた。
 選手を代表し、昨年4連覇を達成した大林僚が「われわれ選手一同は、きょう走れることに感謝し、走っているときも足の痛みや苦しみを喜びに変え、この宮古島を精いっぱい走ることを誓います」と宣誓した。
 このあと午前5時にスタート。座喜味市長の合図とともに一斉にコースに走りだした。選手たちは下地公園から来間島を折り返し、平良市街地を通り、伊良部大橋を渡り伊良部島を折り返した。その後平良市街地から狩俣、池間島を折り返し、北海岸の一周道路を走り、東平安名崎から城辺、上野を通り下地公園でゴールした。
 コース沿いにはエイドステーションが設けられ、ボランティアの住民らが水、コーラやみかん、バナナなどを提供した。明け方の「伊良部大橋」宮古島側のエイドステーションでは雨が降り、強い風が吹くなか「飲み物ありますよ」と大きな声で呼びかけ、選手たちが栄養を補給した。沿道の子どもらは「頑張れ、ワイドー」と声援を送った。
 100㌔の部男子の5連覇を果たした大林は、昨年更新した自身の持つ大会記録を約6分更新した。「ここまで更新するとは思わなかったのでうれしい」と笑顔を見せた。
 雨と強風のレースは、前半並走のトップ争いから独走となった。後半の東平安名崎で追い上げにあったが、そのままゴール。「風は強かったが、雨が降ったので走りやすかった」と振り返った。来年の6連覇に向けては「優勝できるように頑張りたい」と意欲を見せた。
 100㌔の部女子で2連覇した高井は、昨年の初出場で優勝したタイムを約38秒更新した。「悪天候だったので淡々とタイムを縮めようと思って走った」と話し、大幅更新には「最高」と笑顔。昨年の夏、千葉県松戸の自宅と東京葛飾の職場で「帰宅ラン」した坂の走りが成果として出た形だ。
 来年の大会に向けては「自分の記録を縮めるために1年間の練習頑張りたい。3連覇を狙いたい」と力強く語った。
 100㌔の部は335人(男性263人、女性72人)が出走し、201人(男性159人、女女性42人)が完走し、完走率は60%。50㌔の部は157人が出走し、120人(男性78人、女性42人)が完走し、完走率は76%だった。

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