沖縄振興費2678億円 24年度当初予算 3年連続3千億下回る

 政府は22日の閣議で2024年度当初予算を決定した。沖縄関係予算案は前年度当初予算比1億円減の2678億円に閣議決定し、3年連続で3千億円を下回った。自治体の使途の自由度が高い一括交付金は近年減額傾向にあったが、ハード交付金が前年度当初予算と同額の368億円、ソフト交付金は同4億円増の394億円を計上した。県側が求めていた振興一括交付金の増額が実現した形となった。政府が県を通さず直接市町村に補助する「沖縄振興特定事業推進費」は23年度当初予算の同額の85億円となった。
 ハード交付金は前年度と同額を維持し、ソフト交付金は若干の増額に転じた。この予算案は、財務省の厳しい査定の下での決定であり、県側には今後も強力な交渉が必要とみられる。
 沖縄振興予算は9年前の14年度から減少し、一括交付金も減少傾向にある。県振興のためにはこの使い勝手がよい一括交付金の増額を求める声は大きい。
 離島振興では、条件不利性の克服や地域の持続可能性の維持向上に向けた事業を支援する「沖縄離島活性化推進事業」に同1億円増の26億円、小規模離島を結ぶ海底送電ケーブルに前年度と同額の7億円、高校のない小規模離島を対象にICTを活用した高等学校教育の可能性についての調査事業に新規に2千万円、黒糖製造事業者の経営力強化の支援に新たに4千万円を計上した。
 また、駐留米軍跡地利用として琉球大学医学部と大学病院の移設を進める沖縄健康医療拠点整備には前年度と同額の143億円を計上した。大型事業が最終年度を迎えることから、25年度に向けた県や国双方の動きが注目される。
 自見英子沖縄担当相は同日、「各事業がしっかりと推進されるよう、国として必要と考える所要額を計上した。関連経費を計上している23年度補正予算と合わせて、効果的、効率的に執行し、沖縄が抱えるさまざまな課題の解決に努めていく」とコメントを出した。

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