“望ましくない”に公平性主張 市議会農業委調査特別委員会
市議会の第5回農業委員会委員候補者選考に対する調査特別委員会(富浜靖雄委員長)が6日、市議会全員協議会室で行われた。農業委員会は提出を求められていた8月14日、同15日の備忘録はこの日までに提出できなかった。また市当局からは嘉数登副市長が出席し、農業委員中立2人の選定に対して「公平性がある」と述べたことで双方に「市長から事務一部委任の範囲」の解釈に違いを確認。双方へのさらなる調査と確認を求めた。
第4回では8月14日に座喜味一幸市長から、同15日に嘉数副市長から「農業委の中立を2人にできないか」との調整を求められた際に農業委の備忘録があることが発覚。調査委がこの日までに提出を求めていたが、同委員長の決裁が間に合わなかったことで提出に至らなかった。
その上で新里匠委員から「口頭での説明はできないか」との質問に「守秘義務があるのでできない」と回答。それに対し「われわれ調査委は不正を正すことを目的にしている。時間稼ぎではないか」との厳しい声もあった。次回以降の提出を求めた。
一方、市当局からは嘉数副市長が出席。嘉数副市長は農業委員会から出た「15日に『農業委の中立を二人にできないか』と嘉数副市長から申し出があった」との事実確認を認めた上で「14日に市長から若者、女性を中立に入れることによって農地転用やホテル開発の行政がスピーディーになるから調整できないかと相談があったと聞き、市当局で調整に入り同案を決定した」と答え、その上でこの決定に対しては市長の関与はなかったとした。また、市の顧問弁護士への確認は9月の市議会後に行ったという。
県農業会議の「市長の権限に属する事務の一部を農業委員会の会長に委任する規則における範囲は範囲内である」「農業委員会で告示された事務処理要領の告示内容を市長が変更した件についてその内容を変更することは選考基準の統一性・公正性の上で望ましくない」というそれぞれの見解に対しては、「委任するのは権限に属する『事務の一部』であって権限は市長にある」「望ましくないのであって、同様に任命権は市長にあるので問題ない」との見解を述べた。
調査委からの「評価委員会が高評価した認定農業者を外してまで低評価の中立を2人選任したのは統一性・公平性・透明性に反しているのではないか」との質問には「評価委から評価されている候補者の中で評価結果を市長が勘案した上で市長が任命したので公平性はある」と答え、「なぜこの2人だったか」の問いには「候補者の中でこの2人だけが中立にいたからだ」と述べた。
調査委からは市当局と農業委で「市長の権限に属する事務の一部委任」に対して解釈に違いがあるとして、双方に対し次回委員会ではさらなる調査と確認を必要とした。次回委員会は16日に行われる。