豚のと畜数はほぼ横ばいだった宮古食肉センター =上野野原

牛と畜数減少も正常化 食肉センター上半期実績 職員の技術習得進む

 宮古食肉センター(仲村敏社長)の2023年度上半期(4~9月)と畜実績は、牛が100頭で前年同期比28頭、21・88%減少、豚は287頭で9頭、3・2%増加、山羊は267頭で43頭、13・87%減少した。牛は専門技術者の不在による4月のゼロが響いたが、現在は職員の技術習得が進み正常化している。豚は経営改善に向けてJAあたらす市場に卸売を始めた。全体的に飼養頭数が少なく、飼料価格の高騰している現状では増頭は難しいと見られている。
 牛のと畜数は専門技術者の不在により今年3月下旬から休止したことに伴い、南城市の県食肉センターに送ってと畜したため4月はゼロ頭だった。このため八重山食肉センターから技術者を招いて職員の研修を兼ねてと畜を実施。と畜を再開した5月は16頭(前年22頭)、6月は17頭(同16頭)だったが、7月後半からは通常通りのと畜が可能となり、7月21頭(同24頭)、8月26頭(同21頭)、9月20頭(同20頭)。
 同センターでは「と畜は特殊な業務で技術の継承ができていなかった。今後は常に引き継げる体制にしていきたい」としている。
 豚は4月45頭(同45頭)、5月55頭(同48頭)、6月47頭(同41頭)、7月48頭(同50頭)、8月49頭(同51頭)、9月43頭(同43頭)とほぼ横ばい。8月からはJAあたらす市場にロースやバラ、ソーキなどを「島豚」として出荷。まだ数量は少ないものの、徐々に注文は増えている。同センターはと畜業だけでは収益の増加は難しく、経営改善に向けた販売事業強化のため豚肉の販路拡大や精肉処理のできる職員の育成に取り組んでおり「少しずつ経営改善を前に進めたい」と話す。
 22年度は大幅に伸びた山羊は、4~7月が低調だったが8月55頭(同41頭)、9月56頭(同59頭)と持ち直している。観光客の増加に伴い需要は増えていると話す生産農家もいる。
 と畜数を増やすには家畜の生産頭数の増加が必要だが、以前と比べて生産基盤は縮小しており、子牛のセリ価格下落や飼料価格の高騰などで先行きの見通せない厳しい状況では増頭は難しいという。

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