地域住民らは4年ぶりのクイチャーを楽しんだ =池間公民館前

繁栄願い「ヒヤサッサ」 「ミャークヅツ」始まる

 旧暦8月の甲午(きのえうま)に当たる8日、池間島と伊良部佐良浜(池間添、前里添)、平良西原の市内3地域で「ミャークヅツ(宮古節)」が始まった。池間島を由来とする伝統行事で、向こう1年の豊作豊漁、子孫や集落の繁栄などを祈願する。コロナ禍の収束で行事は本来の姿を取り戻しつつある。大勢の地域住民が輪になってクイチャーを踊り、秋晴れの宮古に「ヒヤサッサ」のかけ声が響いた。佐良浜は4日間、池間と西原は3日間行われる。
■池間島
 池間島のミャークヅツ(初日)は池間公民館で行われた。ツカサンマや各ムトゥ代表、地域住民が五穀豊穣や子孫繁栄を祈願しながらクイチャーを踊った。コロナ禍の中止、縮小開催を経て4年ぶりに島の祭りが元の姿を取り戻した。
 祭りではツカサンマが塩と神酒でニガイ(祈願)を行い、神踊りを踊ったあとはツカサンマの歌声とともにクイチャーが始まった。
 昨年のクイチャーは感染対策のため各ムトゥの代表のみが踊ったが、ことしは祭りの参加者全員が参加。地域住民や観光客も加わり、ヒヤサッサのかけ声とともに大きな輪が作られた。
 池間自治会の仲間広二自治会長は「ミャークヅツは200年以上続くといわれる池間島の中心行事。参加者全員が踊れて最高のお祭りになった」と話した。
 4日の祭りは、昨年のミャークヅツ以降に生まれた子どもをムトゥと祭祀集団に登録する「マスムイ」などが行われる。

■池間添・前里添

輪になってクイチャーを踊る池間添 (写真上) と前里添 (同下) のミーウヤたち=伊良部前里添


 佐良浜のミャークヅツは池間添の「モトムラ」、前里添の「ナカムラ」の二つの共同体に分かれて行われる。祭祀は男性のみの「ミーウヤ」を中心に行われるが、二つのクイチャーの輪には大勢の地域住民も加わり、「ヒヤサッサ」の声が集落にこだました。会場近くの広場には複数の屋台も出店され、にぎやかな行事が佐良浜に戻ってきた。
 モトムラでは数え47歳、ナカムラでは同じく50歳の男性がミーウヤとなる。ミーウヤとは年寄りの仲間入りをする2度目の成人式に当たる年齢で、ことしは池間添15人、前里添21人の計36人。それぞれ広場で、大勢の地域住民ともクイチャーを踊った。佐良浜のクイチャーは「ヒヤサッサ」のかけ声で大きく飛び上がって手をたたく独特のもので、汗だくになりながら賑やかな行事は続いた。
 池間添ミーウヤの善平友和さんは「地域の皆さんとミャークヅツを盛大に祝えて良かった。年々人数も少なくなるが、伝統を継承していきたい」、同じく前里添の源河朝之さんは「多くの方の支えもあり、ようやくミーウヤになれてうれしい。地域を支えていく立場として、これからも頑張りたい」と語った。

■西原

盃を手にあいさつするウヤたち=平良西原の仲間御嶽


 平良西原のミャークヅツは3日、仲間(ナイカニ)御嶽で行われ、地元関係者を中心にアラビ(初日)を祝った。満48~55歳の「マスムイウヤ」らが酒を酌み交わしながら向こう1年の豊作・豊漁・地域繁栄を祈願した。
 ミャークヅツはこの日の午前8時から始まった。仲間忠自治会長があいさつしたのちミャークヅツの由来を説明し、浜川武寿さんら新任のマスムイウヤ6人が紹介された。
 その後はマスムイウヤたちが部落の長老たちに酒をついで回りながらマイクを手にあいさつし、おのおのが地域の発展を願った。
 仲間会長は「コロナの影響で縮小開催が続いたが、一度も中止せずに続けた上で今回は通常開催に戻った。2024年に150周年を迎える絶対欠かせないものなので、しっかり伝統を守って続けていきたい」と笑顔で語った。
 2日目の「ナカヌビ」となる4日早朝からは、地域で1年間に生まれた子どもの名前をマスムイウヤらが報告するニガイを行い、午後2時30分ごろから豊穣旗を持ち集落内を練り歩くパレードなどが行われる。

関連記事一覧