市が補助金書類紛失 城辺トレセン、老朽化も解体できず 市議会一般質問
旧城辺町が国の補助金を活用して建てた城辺トレーニングセンターについて、宮古島市が関連書類を紛失していることが、20日分かった。同日から始まった市議会9月定例会一般質問での、西里芳明氏に対する天久珠江生涯学習部長の答弁。同施設は老朽化のため2020年度から閉鎖されているが、解体などの手続きが進められない状況という。西里氏は「均衡ある発展というが、城辺は取り残されている」と当局の対応をただした。
国の補助金を受けて建設した公共施設を耐用年数経過前に解体するには、「補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律」に基づいて手続きを行う必要がある。城辺トレーニングセンターの耐用年数は47年間で、6年ほど残っている。
同施設の解体工事がいつ頃始まるのかを訪ねた西里氏に、天久部長が「解体に先立ち財産処分の手続きが必要になるが、関係書類が確認できていないため手続きが開始できない状態。書類の探索を現在も継続している」と明らかにした。
今後について天久部長は「関係書類なしでも手続きできる方法がないか国と調整してもらうよう、県に依頼している。解体のめどは立っていない」と述べた。市町村合併時に適切な引き継ぎがなされなかったことが、紛失の原因とみられる。
西里氏は「市はいつも『各地域の均衡ある発展』と言うが、城辺だけ3年間も体育館がない。建て替えも解体も出来ないとなれば、城辺だけ取り残されて均衡ある発展はできない。話が違う」と当局をただした。
施設解体の明確な時期を求める西里氏に、座喜味一幸市長が「20年度から閉まっていることは大変申し訳ない。解体することが目的ではなく、施設の代替が重要。地元の体育協会や老人クラブなど、施設を活用している皆さんと整理をしていきたい。旧城辺中学校体育館の活用を含めて、丁寧に議論をしてしっかりとした方向性を示さなければいけない」と述べた。
西里氏は市総合体育館の建て替えに伴い、地下に避難施設を整備する計画に触れ「城辺トレーニングセンターも建て替えをするならば、各地域にもそういった複合施設を求めようと思っていた。取り壊しのめども立っていないのでは、議論を進めることができない」とあきれた様子だった。