賛成7、反対16で22年度一般会計決算認定を否決した予算決算委員会 =市議会全員協議室

22年度決算認定を否決 施設賃貸の裏付け不備 宮古島市議会予算決算委

 宮古島市議会の9月定例会は14日、全員協議室で予算決算委員会(下地茜委員長)を開いた。当初11日で終了予定だったが、城辺長間の市肉用牛センター賃貸を巡る審議が長引き延期されていたもの。賃貸にかかる制度的裏付けの不備が問題視され、7対16の賛成少数で認定を否決した。収入済歳入額429億4058万円うち、同施設の賃貸料は35万円。賛成は与党6人と中立の無会派1人。27日の本会議で議会の最終判断が下される。
 肉用牛センターは旧城辺町が整備。畜産農家から肉用牛の飼養委託を受けることなどを目的としていたが、採算が取れなかったため同町は運営を断念した。一時JAが施設運営を受託していたが、撤退後には民間の畜産事業者に施設を賃貸する形で運用していた。運用形態が変わる中で、関連する条例の改正などは行われていなかった。
 委員会では行政財産貸付に対する法律・条例面での裏付けに質問が集中。指定管理者制度は議会の承認が必要である一方、当局の判断のみで賃貸契約が行われている点について、整合性を疑問視する声もあった。
 討論では野党から2人が反対、与党2人が賛成の立場から意見を述べた。野党の下地信男氏は「条例については当局も不適切だったと回答した。行政財産の使用許可が市長裁量で出来るのであれば、議会に承認を受ける指定管理者制度が形がい化していく」と主張。
 同じく下地信広氏は「施設の位置づけを、行政財産から普通財産に変更した上で貸し付けるのはいいが、そういったこともしていない。あやふやなものには賛成できない」と述べた。
 与党からは長崎富夫氏と久貝美奈子氏が発言。長崎氏は「2010年から民間との賃貸借契約が発生している。十数年間1度も指摘をしなかったのは、議会の問題ではないか」と指摘。久貝氏は「確かに条例の中身にはそぐわないと思う。地方自治法で目的外使用の許可と貸付という規定が設けられており、法的には問題ないと私は考える。不認定まではいかないのではないか」と述べた。
 採決の結果、下地委員長を除く与党6人と中立無会派1人が賛成。中立4人、野党12人の計16人が反し、決算認定は否決された。27日の最終本会議で、再度討論と採決が行われる。

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