2カ月連続で子牛平均価格が40万円台となった肉用牛セリ市 =平良山中、JA宮古家畜セリ市場

2カ月連続で40万円台 去勢が50万円割る 8月牛セリ

 JAおきなわ宮古地区本部(下地誠本部長)の2023年8月期肉用牛セリ市が19日、宮古家畜セリ市場で行われた。月齢12カ月以内の子牛は296頭(99・33%)が販売され、1頭当たりの平均価格は46万2665円で前年同月比7万7762円安、前月比1461円安と2カ月連続で40万円台となった。牝は若干値上がりしたが去勢は50万円台を割り込んだ。依然として牛肉需要が回復せず、飼料代の高止まりと合わせて農家には厳しい経営状況が続く。
 成牛を含めた販売額は1億4512万円。子牛価格の内訳は去勢が49万9956円で前年同月比9万8284円安、前月比1万7650円安、牝が39万7752円で前年同月比5万4816円安、前月比3万8897円高。1頭当たりの最高価格は去勢が84万4800円、牝が82万600円。平均体重は去勢286㌔、牝262㌔で計277㌔となった。成牛の1頭当たりの平均価格は17万7841円で前年同月比3万3856円安、前月比1291円高。
 子牛セリ価格は牛肉需要の停滞で枝肉市場が上がらず、飼料価格の高騰もあって下落傾向が続いている。宮古セリ市場の平均価格は5月が46万4307円でほぼ10年前の価格水準まで下がり、6月は50万2370円とやや持ち直したものの、7月は46万4126円で再び50万円台を割り込んでいた。
 JA宮古地区畜産振興センターは「先月並で全く上がってこない。飼料の高止まりは続いており、肥育農家も厳しい状況。先が見えずどうすれば良いか分からない」と頭を抱える。
 上場した去勢2頭がそれぞれ40万円台だった城辺の農家は「安くてがっかりした。飼料代にも足りない。いつまで続くのか先行きが心配。経営がもたないという仲間もいる。冬場に向けて上がるのを期待したい」と話した。平良の農家は「この価格では採算割れ。アルバイトでもしなければ大変だ」と厳しい表情だった。
 ある購買者は「牛の出荷数は多いが消費が増えない。肥育農家は高いときに買った牛を安い値段で売っている。飼料代も高いままで経営は厳しく、飼養頭数を減らす農家もいる」と状況を説明した。

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