終活テーマにフェア開催 関心高く大勢が参加
市社会福祉協議会(野原勝会長)の市民講習会「終活フェアin宮古島」が12日、未来創造センター多目的ホールで行われた。終活の講習会は毎回定員を超える市民が参加する関心の高いテーマであり、今回は受講者の要望に応えて初めて終活に関する相談ブースや体験コーナーを開設した形で開催した。終活カウンセラー上級の東恩納寛寿さんによる最新の埋葬事情やエンディングノートの書き方などの講話も行われた。
市社協は昨年、終活の市民講習会を行ったが受講者が多かったため、2回目を行った際も定員を超える市民が参加するなど関心が高く、受講者から講話だけでなく具体的な相談を求める声もあった。これまで市社協平良支所で行っていたが、今回からフェアとして未来創造センターで開催。約80~90人が受講した。
開会式で野原会長は「いくつかある市民講習会の中で一番受講者が多く、市民の関心が高いことを踏まえ、終活フェアという形での開催となった。市民の皆さんにとって有意義な時間となり、少しでも終活について知識を深められる機会となれば」とあいさつ。
相談ブースでは遺産相続を上原税理士事務所、墓じまいをメモリアル整備協会、事前葬儀をハートフルセレモ心、栄養を地域包括支援センター、成年後見を後見支援専門員が行った他、骨密度検査や納棺体験コーナーも設置された。電話予約した先着50人にはエンディングノートを贈呈した。
東恩納さんは「墓や仏壇で子どもや家族に負担を掛けたくないという相談が一番多い」と述べ、若年層の人口減少に対して単独世帯や死亡者人口の増加で墓の管理等が難しい状況にあると指摘。今後の埋葬方法は▽継承を必要としない▽経済的な負担が少ない▽単身者でも利用可能―が求められ、自然葬や合葬式墓地、期限付き墓地が中心になっていくとし「祀(まつ)り方に正解はない。背伸びせず話し合って自分たちの供養の方法を探してほしい」と話した。
終活について「ネガティブに捉える人が多いが、人生の終焉を考えることを通じて自分を見つめ、今をより良く自分らしく生きる活動のこと」と述べ、エンディングノートの書き方を説明。「いま自分が亡くなったら家族が困ること、自分が後悔することを書く。それだけでも家族は助かる。終活で重要なことは自分も家族も後悔させないこと」と話した。